しなやかな会社づくり - 企業家と経理 - Firm Company

<< November 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
Profile
税務会計 フォアユー パートナーズは、仕事の質で貢献する税の専門家集団です。日本経済がどうであろうと、関与先各社は利益を生み続ける、そんな集団でありたいと日々関与先サービスに努めております。

サービス案内等、詳しくは当所のHPをご覧ください。
Previous
『会計力』が事業を育てる ─会計土木®の現場から─
経営の要点を数字の観点から読み解くブログ。完結しましたので当所のHPに移設しました。
MOBILE
qrcode
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
危機管理  ケーススタデイ9    経理上の問題は、、、

 在庫の横流しの話に行ってしまいましたが、このようなことは、殆どが「出来心」からのものであると言われています。たしかに、盗みを平気でする人は昔も今もいるでしょうが、それは例外でしよう。何かの事情があって困っているところへ会社の体制がザルであることが見えてきての出来心です。そのような不幸な人を作らないことが経営者の仕事でもあります。

 

 米国公認会計士の研修では、毎年Fraud(不正行為)という科目があり、実例が生々しく報告されます。しかし国民性や文化も違うのでわが国では、それほどえげつない例はないのですが、最近は日米の差が少くなくなってきています。たまに大胆な例がわが国でも報道されています。

 

 それよりも会社内の環境が、出来心からの不正行為に引き金を引きやすい環境になっていないかの確認が必要です。疑心暗鬼のない、明るい職場の空気を維持するためにも、問題点がないかをこの際、社長が見直していただきたいのです。税務調査は、いい機会であると思います。

 

 こんな機会に社内の整備をされないで従業員さんを猜疑心で見るのは最悪です。本末転倒です。そうではなく仕組みを作ればいいのです。

 

 このことが、よりよい会社作りにつながります。考えようによっては税務調査がそのきっかけを作ってくれたのです。この機会を逃がすことほんとうには勿体ないです。

 

 顧問の会計事務所が不正行為が起こらないように平素に提言しても大多数の社長さんは、お聞きになりません。税理士の言うことは聞かないが税務署の言うことは聞く、傾向があります。

 

 却って顧問料というカネを払っている相手に、そんなことを言われるのは嫌や、というタイプが意外に多いのです。反面、権力をもった税務署の人から言われると、聞く耳を持たれます。それでもいいですから、社長が聞く耳を持たれたら改良のいいチャンスです。

 

 しかし、のど元過ぎれば、またもとに戻ってしまい、改良はされません。このことは元税務調査官をされておられた税理士さんも同じことをおしゃいます。結局、改良の手を入れる「実践」はされません。のど元過ぎたら、結局なにもしないという結果は同じですが、のど元過ぎるまでの暫くの間は「問題が起こらないようにしなければ、、、」と口では仰います

 

 会計事務所が忠告させていただいたら無反応です。この違いはお上(オカミ)や権威に極端に弱い国民性なのかもしれません。

私はこれまで何百人の経営者に接してきましたが、50人に一人くらいの割合で粘り強く実行される社長さんがおられます。そのような会社は堅実に少しづつ成長してゆきます。会社の空気も明るいです。

- | 19:51 | pookmark
危機管理     ケーススタデイ8       税金も大事だけれども、それよりも大事な点

 社長さんが返品伝票や売上伝票に当たってみることなど、社長のする仕事ではない、というお叱りの言葉が聞こえてきそうです。確かに社長さんは

 1、売上を作ること

 2、なし

 3、なし

 4、製品、商品の開発

というように、社長が伝票をめくるなんてとんでもない、もっと高度の経営や管理と会社の将来の青写真を社長室にこもって描かなくてはならない、とのご意見もあるでしょう。

 

経営学を学んだ方ならそう考えると思います。

 

 しかし考えてください、今の状況は、普通の状態ではなく、税務署から質問されているのです。経営学の「理論」から言えば社長がその矢面に当たることはないかもしれません。しかし経営学でも経営者の役目には「例外管理」という項目があるはずです。

 

 いまはこの例外管理をされる時なのです。ですから是非、社長さんに自らの手で調べてほしいのです。「ケイリなんかようわからんヮ」と仰る社長は多いです。社員は見ています、社長がどう対処されるかを。

 

 「ワシはよう分らんから、テキトーに返事しといてや」といって問題に近寄ろうともしない社長を従業員はどのような気持ちで見るでしょうか。いい印象ではないようですね。

 

 それよりも、この税務署の質問の背後には(最悪の場合ですが)在庫の横流しの可能性があるのです。社内にそれを実行した人物がいれば、社長の対応をじっと観察しています。これからも同じことが可能か、もっとほかにスキがないか。

 

 これらは最悪の場合ですが、それ以外にもここで社長が目に入れていただきたい事柄があります。

伝票の整備具合、一連番号に沿って、保管されているか(売上伝票に一連番号が付されていない、などは論外です)。

売上帳への記帳は間を置かずにされているか(伝票があっても相手先への債権として記されていないなら、〆日に請求できますか?)。

在庫が置かれている場所の整頓はできていて、品目ごとの区分はできていますか(商品が、ただ転がっているだけの会社もあります。これでは管理されているとは言えません)。

在庫が入ったら即、仕入れの記録になり、在庫が出た場合は売上の計上になるようにシステムが連動していますか。

 

これらを、こんな時こそ体感して問題がないか考えていただきたいのです。社長室から出られて「現場」で事実を見てください

 

- | 17:07 | pookmark
危機管理   ケーススタデイ7         質問の意味

 「言葉のあや」が誤解を生むことにならないためには、税務署に回答するさいに、社長の中で質問の意味が捉えられているかがポイントです。会計の最小限の知識があれば助かりますが、そうでなくても質問が何を聞いているのか、その狙いは何なのか、が分かれば問題はありません。

 

 前置きが長くなりましたが、「指摘事項」に沿って具体的にみてゆきましょう。

 

<指摘事項>は以下の4点でした・・・ケーススタデイ1より・・・

 

1、期末近くにA社が仕入れた商品(個数1個、100万円)が在庫リストに計上されていない。この商品が期末までに売上になった形
   跡はない。どこに売ったか、或いはどこにあるのですか。
2、取引先である甲社の情報では、同社がA社から仕入れた商品150万円をA社に返品した事実があるが、この返品がA社の在庫帳に
   受入れられた記録がない。在庫の計上洩れではないですか。
3、乙社への売掛金の残高について相手先の帳簿を反面調査で確認したところ、乙社はすでに支払済である事実を把握している。に 
   もかかわらずA社の乙に対する売掛金残高は減少していない。入金したお金はどこに行ったのですか。
4、期末である5月末近くに、仕入れ先である丙社から仕入れた商品について6月2日付けで返品伝票が切られています。しかし運送 
   会社の送り状はありません。
  まず1番目の疑問は、少なくともこの商品は在庫表に上がっていなければならないのに計上されていません。
  2番目に、この商品はどこへ行ったのでしょうか。ご説明願います。
今回は1、について整理します。
質問の要点:仕入れた商品は、売れるか、社内に在庫になるか、どちらかです。売れたら売上に計上されます。売れなかったら在庫に計上されます。必ずどちらかです。
税務署の質問の意味合いは下の通りです。
  1、売上が洩れているのではないですか
  、そうでなかったら資産である在庫が洩れていますね。
    意図的なら重加算税の対処になりますよ。
社長が確認すべき事柄
  1、仕入れたのは事実か、即、返品されることもある。返品伝票に当たってみる
  2、仕入れが事実なら、仕入日から期末までの間に売れていないか売上伝票を確かめる
  3、売上伝票が存在しても、その商品はいつ客にお手に渡ったのか、店頭で渡したのか、運送便で発送したのかをたしかめる
    お客は遠方か、遠方なら期末日には「運送中」(積送品といいます。引渡されるまでは所有権は売主にあります)であって 
    在庫リストには上がらないし、売上にも上がらない
  4、売上でもなく、積送中でもいない場合は、会社内にその商品はあるはず。ない場合には、考えたくないが盗難かもしれな
    い。
上記の内、1、4に該当する場合は課税はされません。2,3に該当する場合は、2は売上計上洩れ、3は在庫計上洩れですが、重加算税の要件である仮装隠蔽かどいうかは更に詳しい背景を知らないと判断できません。
それよりも、このような指摘から会社内の統制が取れているのかの断面が浮かび上がります。このの方が重要です。
- | 11:52 | pookmark
危機管理      ケーススタデイ6         社長が税務調査で注意すること         

 話のついでに、社長の答弁が重要であることをご説明するために、調査の終末段階のことも触れておきます。調査の最後は大まかに言いまして次の3種の何れかになります。

 

 ・問題なし

 

 ・見解の相違や、計算ミスで修正申告をして不足分の税金を支払う。ついでながらその税金の10%をペナルテイとして加えて払わ

   なければなりません。ペナルテイの正式名は過少申告加算税といいます。

 

 ・税金に不足額があるのですが、上記の場合と違って、仮装や隠ぺいがあるゆえに重加算税が課される場合です。質問応答記録書

   が作成されるのは、主にこの場合です。

 

 調査官は調査を進める間に「仮装や隠ぺい」などの不正行為がないかをチェックします。該当すると考えられる場合にはこれが作成されます。

 

 争点整理がされる目的は、「十分な証拠の収集に基づく事実認定と法令の適用の更なる的確化を図る」ため、と通達に書かれています。さらに、最後に納税者の署名押印を求めること、その際には強要していると受け止められないように留意するように念が押されています。

 

 しかし、同業の税理士さんのお話では、ある会社の調査の後、重加算税の通知書が税務署から届いて、重加算税をかけられたことに驚いた社長は税理士に情報開示でその内容を入手してもらって、書かれてある内容を知りました。その内容を知った社長は「そんな答弁をした覚えはない」と激怒されたそうです。

 

 言葉のあやということもあるでしょう。しかし言ってもいないことは書かれていないとの保証もありませんから、もし「質問応答記録書」が作成される場合には、「納税義務者に読み上げる」ことになっています。納得がゆかない場合は署名してはいけないのはもちろんです

 

社長が、税務調査で質問に答えられる場合は、よく言葉に注意されないと後々問題が残ります。

 

 

 

 

- | 11:25 | pookmark
危機管理   ケーススタデイ5         社長が税務調査ですること

 ここで前回の補足をします。

まず「反面調査」ですが国税通則法の改正で、反面調査は調査官が「必要があるとき」に容易にできるように条文に書かれています。それまでは正面からの調査で壁に当たったり、調査されている納税者が調査に協力的でなかったり、帳簿書類などの資料がなかったりして資料的限界がある場合などしか反面調査はできない、との見解も普遍性をもっていましたが、改正以降は税務署が「(反面調査の)必要がある」と判断すれば可能です。

 

 したがって帳簿書類などの資料は整然と揃えて「何でも見てください」との悠々とした姿勢で調査に臨めるように平素からしましょう。うやむやにして、調査が収まったので、ハッキリしない方がトク、という時代ではありません。

 

 その次に社長は税務調査で出てくる問題には2段階がある、と心得ましよう。

1は事実かどうか、を証拠によって説明する段階です。

2はその事実が税法に違反しているために追徴税を支払わなければならないのか、という解釈の段階です。

 

 2の指摘がないことが理想ですが、複雑な時代ですので、最悪そのようなことがあった場合は、税理士の協力で説明しましょう。

特に海外に広がる取引の場合は外国の税法も関係してきます。アメリカのパートナーシップに投資した場合の日本の課税についてわが国の所得税ではどのような扱いになるかなどが争われた場合、アメリカの州によって結論は異なります。デラウエア州に投資した場合はアウトであると最高裁で結論が出ました。このような場合は専門家でもなかなか困難なのです。見解の相違は尽きることはありません。

 

しかし1は社長の努力で、しかも平素から見える化に努め、社内をクリーンにすることをされますと問題が問題でなくなります。見解の相違の世界は、カオス(混沌)と思われ、そのようなものは枝葉と割り切って、幹については、経理の基本で道を誤らない、筋を通す、との姿勢を取られることが大事であると思います。

 

 また事実認定の段階でも、正しいと思ったら、引いてはイケマセン。「事実は一つ」なのです。ここで妥協はありません。場合によっては事実でないことが押しとおるようならケンカもしなければなりません。

 

 

- | 19:25 | pookmark
危機管理    ケーススタデイぁ     …敢佐韻了纏

 1の税務調査官が何をする仕事かということを知るとともに、2ご自分が経営される会社の経理の仕組みを頭に入れておくことの、どちらも必要ですが、相手を知ることは、イーブンに持ち込むことに繋がりますから、ここで税務調査官のことに少し触れます。

 

 税務署の仕事は課税から、情報収集、納税額の徴収まで多岐にわたりますが、簡潔に言いますと「税金の額を決める」課税部門と、決まった「税金を回収する」徴収部門が柱です。前者の官名は調査官で、後者の官名は徴収官となっています。

 

 今回のA社に質問されたかたは調査官です。A社が提出した法人税申告書の確認に来られたのです。(別にマルサといわれる査察官とは異なる職種です)一通り現況と申告書のもとになる帳簿書類その他の資料に当たって問題がなければそこでおしまいですがA社は前述のような疑問点が出ました。

 

 ここで調査官の目的をA社はしっかりと知ることが「敵を知る」ことになります。知らないと、不安が拡大したり、実は重大な問題が指摘されようとしているのに安易でずさんな対応をしますと印象が悪くなります。

 

 調査官の目的は課税の公平を貫くことです。ズルや不正は見逃しません。さもないと課税が不公平になります。もっと簡単に言えば税務署には租税正義を全うすることで仕事が完了するのです。

 

 租税正義は納税者サイドにもあります。合法的に少しでも少ない税金で納税義務を完了したい、のが思いでしょう。税金を取る側も、取られる側もそれぞれの租税正義がありますから、双方の目的は同じなのです。正しい課税額を求めることがゴールです。

 

 目的は同じですが、立場は真逆です。ですから見解が分かれることは当たり前です。双方の間に税法という共通のルールがあります。解釈が分かれて、解釈次第で納税額が納税者ごとに変わらないように、行政法規らしく、しっかりと組み立てられていますがそれでも解釈が分かれます。

 

 最近でも公道に沿った宅地の一部分が、恰も道路のように通行されている場合の相続税評価で最高裁まで行った例がありました。私有地なら課税されますが、道路同然なら課税はされないので納税者側は課税なしを主張して、争われました。

 

 別のケースでは、やはり相続税で、賃貸住宅の場合、賃借人が入居していれば借家権というものが存在して相続税の評価が下がるのですが、空室の場合は借家権がないため評価は下がりません。何か月の間空室なら空家になるのかの判断で高裁まで争われました。入居者が退室して1ケ月位なら賃貸が継続していると認められますが、5ケ月は空室となると判決が出て、最高裁に行きそうです。

 

 このように見解の相違がある中で不公平な課税にならないように、との姿勢が税務署の姿勢です。問題点を見過ごすことは不公平な課税を認めることになるからあり得ません。経済実態の調査にきているのではありませんから、問題が出れば「証拠」を集め、これらを洗い出して事実を認定します。

 

 ですから調査官の仕事は一言でいえば徴税なのです。油断したり甘い考えで応対してはいけません。銀行にも調べに行けます。その「権力」は大きなものです。

 

 したがって調査官の面前で不確かなことを言いますと後々たたります。「質問応答記録書」で争点整理がされますので、ここに記録されますと取り消すことが困難になってきます。税務署は、今後の争いに備えて証拠固めをしているのです。

 

 このような税務調査官に対してA社長が自社の在庫や売掛金について、調査官がなるほど、と思うような回答をしなければ追徴課税が待っています

 

 「己を知る」ことが出来ていれば、敵を知らなくても負けることにはなりませんが、自社の経理について回答が出来なくてはイーブンに持ち込むことも危うくなります。

 

 

 

 

 

- | 20:09 | pookmark
危機管理  ケーススタデイ   税務調査官の質問の意味は社長に理解されているか。

 「事実」を確かめてください、と前回に申しました。しかし事実を確かめると言っても、失礼ながら、社長には、質問の意味が理解されてるのか、これまでの経験でいささか疑問です。

 

 問いの意味が良くわかっておられない状態で、「事実」を確かめることは実際は困難です。時たまですが、分かっておられないとしか思えないのに、分かったふりをされる経営者の方がおられます。従業員の手前、知らないとも言えないため分かっている、で乗り切りたいお気持ちは理解できます。

 

 しかしピントが外れた回答では、ベテランの調査官から二の矢、三の矢が放たれて、却って窮地に陥ることがあります。窮地に陥ると、ご自分が何を言ってるか、ほころびだらけのいことを言っておられるのがご自分でも気づかないため、調査官側からは不審の気持ちが高まり、その高まっ不審が不信になり、角度を変えて少しとげのある質問に変わってきます。

 

 このような悪循環の原因は、社長の知ったかぶりです。指摘された問題点を正確に把握することがどれほど大事であるか、気づかれないことがあります。ボタンの掛け違いが起こってしまいますと、その修復はなかなか困難です。

 

 相手の言うことや質問の意味を理解して適切な回答をするためには、二つのポイントがあります

 

1は、質問する人(本例では税務調査官)の顔の後ろに何があるか、を知ることが答えの適切さに繋がります。

2は、在庫や売掛金の関する質問の背後の仕組みが分かっておられないと、正しい答えを導くことは出来ません。

 

 逆に言いますと、この二つンポイントを外して答えていても、到底解決に向かえないのです。本稿は上記の2つ目をご理解いただくことを重点にしますが、1つ目も重要です。調査官の顔の後ろにあるもの、すなわち職務を知り、究極の目的を知らないと適切な回答はできません。

 

 この二つのポイントは、あらゆる交渉に必要です。まさに孫子の「敵を知り己を知れば百戦して危うからず。敵を知らずして己を知れば一勝一敗す。敵を知らず己を知らざれば戦うごとに必ず危うし」と。

 

 1を知ることは「敵を知る」ことです2を知ることは「己を知る」ことです。1はどの人も、すぐその意味がわかります。但し実際に調査官と対峙して、いささか緊張がある空気のもとでは、分かっているけど頭に血がのぼって分かっているはずがそうではない場合が多々あります。

 

 コレに比べますと2を知ることはむしろ容易です考え方のコツさえ理解されますとどの経営者も呑み込みは早いです。直接経理をされておられなくてもそのビジネスを統率されておられますから。

 

コツの部分をかみ砕いて説明する書籍はなかなか少ないです。この点でお役にたてるかと思います。

 

 

- | 19:57 | pookmark
危機管理       ケーススタデイ◆          A社に税務調査が入った

 調査官氏の指摘は、在庫と売掛金の会計がキチンとできているかを確認するためのオーソドックスなものです。別にA社に重大な脱法行為があるとかの問題ではありません。

 

 考えかたとして、これは社長にとっていいチャンスであると思われることです自社の商品の流れについて、社長としての認識を問われています。こんなことでもなければ実際の商品の流れについて、じっくりと見直される機会もなかったかもしれません。

 

 調査官は質問をしていますから、冷静にこれに対して答えれば良いのです。今まで面識がなかった他人に具体的な問いを出されて、口から手を突っ込まれたような気持になって、感情的になる社長もいます。

 

 「わが社を疑いの目で見ている、、」などと。しかし経理や販売の担当者が説明できれば、このような質問はされなかったのですから、税務署からの質問は出るべくして出されたものです現場の担当者が納得行く説明ができなかったわけですし、説明できる帳票類が整っていなかったのです。

 

 従業員に商品や売掛金について確かな知識を持たせたり、帳票を整えることは、むしろ社長の課題であったかもしれません。ではどのように対応すればいいのでしょうか。

 

1、たとえ税務調査官の質問でも、場合によっては事実の見落としからくる、単なる勘違いの場合もあり得ますので、過度に神経質になったり、悪い結果の場合はどうなるのだろうか、などと先に考えて、取越し苦労をしてはいけません。

 

、「事実」確かめることが、今されることです。

 

3、事実を確かめるために社長が行動されるときに、自社内でどれくらい整然と帳票や商品が整理されているか、いないのか、現状をしっかり見ましょう。現状をそのまま見なければなりません。急いで作られた資料などは、偽りの資料である場合があります。平常の姿を大事にして「現状」から入りましょう。

 

4、小さい会社でも組織的、系統的に流れが「見える化」されている会社もあります。しかしそうでない場合が多いです。この断面を見定めましょう。

 

 

 

- | 17:55 | pookmark
危機管理      ケーススタデイ       A社の場合       

 事例

最近のことですが、A社に税務調査が入りました。調査の結果、調査官は以下の指摘をしました。あなたは回答を求められました。

 

指摘事項

1、期末近くにA社が仕入れた商品(個数1個、100万円)が在庫リストに計上されていない。この商品が期末までに売上になった形

   跡はない。どこに売ったか、或いはどこにあるのですか。

 

2、取引先である甲社の情報では、同社がA社から仕入れた商品150万円をA社に返品した事実があるが、この返品がA社の在庫帳に

   受入れられた記録がない。在庫の計上洩れではないですか。

 

3、乙社への売掛金の残高について相手先の帳簿を反面調査で確認したところ、乙社はすでに支払済である事実を把握している。に 

   もかかわらずA社の乙に対する売掛金残高は減少していない。入金したお金はどこに行ったのですか。

 

4、期末である5月末近くに、仕入れ先である丙社から仕入れた商品について6月2日付けで返品伝票が切られています。しかし運送 

   会社の送り状はありません。

  まず1番目の疑問は、少なくともこの商品は在庫表に上がっていなければならないのに計上されていません。

  2番目に、この商品はどこへ行ったのでしょうか。ご説明願います。

 

 

社長であるあなたは、どう対処すれば良いのでしょうか。

 

 

 

 

- | 19:14 | pookmark
危機管理  安易な自己修正が歪みをもたらす        どういうことなのか

 ここらで一度立ち止まって「安易な自己修正」とは何を言おうとするのか、整理してみましょう。

簡潔に表現しますと

 ・全体を見ないで目の前だけしか見ない。

 ・この先このままではどうなるのか、を考えない。

 ・根本の原因を突き詰めないで、対症療法で終わる。

 

この背景には、

 前例踏襲、

 過度の協調姿勢

 妥協に流れやすい空気

という特徴があります。

 

 現実の経営は戦争と同じですから、戦いの過程では妥協はありません。戦略の筋書きに妥協が予定されていないのは当然です。戦術面では引くことなどの調整は入りますが。 

 

 経営では、資金という命を貴社から取ろうと、どこの会社も近寄ってきます。仕入れる商品の価格や品質は確かでしょうか。売掛金の回収が異常に遅い場合に、そこから発せられているメッセージを読み取る必要があります。早く払うことは「お人好し」とのメッセージは少なくとも感じられるのではないでしょうか。これを、先にお金を払わせるには相当の工夫と努力が必要です。

 

 使われる経費は本当に必要なものなのでしょうか。相手の罠に掛かっていませんか。不当な価格で「前例踏襲」で購入していませんか。油断もスキもありません。

 

 資金を狙われ、吸い上げられた結果は失血死です。その予兆は過大在庫や滞留売掛金にハッキリと表れています。「安易な自己修正」のやりかたによれば、早く資金化するために、在庫を少し整理し、売掛金の催促を少しして、COSTも少し見直すでしょう。しかしそれで本当の解決になりますか。借金体質は変わりません。やがて来るであろう「高金利の時代」には困ることになります。

 

 このようなことをされていますとFIASCO(大崩壊)に繋がる道を行かれることになります。

自然界の生き物には本能しかありませんから「安易な自己修正」はありません。やるかやらないか、ゼロか100%か、無か存在か、しかありません。

 

 

  

- | 17:26 | pookmark

Copyright ©FOR YOU INTERNATIONAL Inc. All rights reserved.

Powered by ロリポブログ