会計と税の見かた、考え方 - むつかしい時代を乗切るために -

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経営の要点を数字の観点から読み解くブログ。完結しましたので当所のHPに移設しました。
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悪化する環境を乗り越える・・・倒産予備企業にならないために 9 まとめ・その㈠

 前回まででTSRの倒産指標を用いた説明は終了しました。

 

まとめに入りましょう。

 

ポイント1<資金>

あるか、ないかしかありません。逆立ちしても資金が出てこないのでは、事業もそこまでです。資金だけでなく、命も、生きるか、死ぬか、行動も、するか、しないか、時間もあるか、ないか、二つに一つです。浮かれた人が多い今どき、資金一つに集中して勝負時に儲け損ないをしないように、資金の獲得に集中しましょう。

 

ポイント2<貸借対照表と組織>

・コンパクトな貸借対照表が鈍重の逆であると申し上げてきました。コンパクトな貸借対照表になるには、組織もコンパクトであることが大事です。複雑な組織のもとで整理されない日常業務からはコミュニケーションのズレが起こり、コンパクトな貸借対照表もひいては損益計算書もできません。

 

ポイント3<粗利益が少ない、粗利益率も低い>

・粗利益率が低いことにより、十分な開発費や試験研究費もでません。給与も十分な額が払えないため、人員不足で余裕がなくなり、その先にあるのはシエアを失うだけです。シエアを失わないために売値を下げる、そして更に粗利益は下がる悪循環に入ります。ムラの「常識」に追随することは危険なのです。その意味で唯我独尊が事業をする人が取るべきお立場でしょう。

 

ポイント4<低い生産性と給与>

・給与に関する、いろいろな報道や政府などの公表データに捉われてすぎますと「常識的な給与」に落ち着いてしまいます。経営計画を立てられる時にも、この「常識」が働きますから長い目で見ますと(国際的な視野からはも)低賃金企業になってしまいます。人間はお金だけではない、というものの、たとえ志が高くても給与が低いままですと集まる人材には上限があります。そこが事業の上限になります。

 

 

 

 

- | 12:00 | pookmark
悪化する環境を乗り越える・・・倒産予備企業にならないために 8

 TSRのレポートには、最後に「倒産企業は総資産が10%減少している」とあります。

反面、生存企業は4.2%総資産が増加していると書かれています。

 

 これまでの、良くないパターンでは、在庫や固定資産がいつまでも貸借対照表に残っていることは「鈍重」である、在庫や固定資産が減少することが活性化してゆく道であると書いてきました。総資産が減少することが倒産企業の特徴であるのは、これまでの叙述内容と逆ではないかとの疑問が生じると思います。

 

 ここで気をつけなければならないのは、

総資産が10%減少した企業=倒産企業であるということです。

 

 一方、貸借対照表をスリム化してゆく企業は、倒産企業ではありません。

人体で例えますと、肥満体で血液の循環が良くない、糖尿の症状も出ている、血圧(ケツ圧も)が高い、しかしパワーはある、このような人がぜい肉を絞り、原料の結果、筋肉質になった場合はもっと本来のパワーを出すことができるのに比べ、倒産企業のばあいは、

・まず資金がない

・在庫も売り払った。

・設備も老朽化して古いために、帳簿の残高もスクラップ価額(残存価額)に近い。

 

このような状態の場合は、人体に例えますと活力が抜けてゆく状態です。確かに総資産は減少の傾向になります。

 

 ですから同じように資産が減少しても、余力がある状態で活性化のために余分な資産を減少する努力をしている会社と、倒産企業とを一緒にして良いものではありません。

 

増減する資産の種類で良し悪しが決まります。あくまでもアウトラインですが、〇×△で分けてみましょう。

 

・現金の減少は血液が減少するのと同じです:×

・売掛金は売上が増加することと並行するなら:〇

 売上が減少するのに売掛金が増えるのは、不良(滞留)債権が増えている可能性があります:×

・在庫が右肩上がりで、売上も増えているなら:〇

 売上が減少しているのに在庫が増える場合は、売れ残り品が溜っているかもしれません:×

・固定資産が増えることは、設備投資の結果です。勢いがある一方、陳腐化した設備が整理できていないかもしれませんので、どち 

 らともいえません:△

 固定資産が減少する場合は、設備投資ができてないか、あるいは逆に、技術の進歩に沿って旧設備を改廃したことも考えられます

 ので、どちらともいえません:△

 

 

 

 

 

- | 12:00 | pookmark
悪化する環境を乗り越える・・・倒産予備企業にならないために 7

 債務超過は何が原因なのでしょうか。借入金を減少させる方針への 「借入金のターニングポイント」(4月19日分で解説)に気づかないまま、あるいは引き返せないまま進んでしまったためです。

 

 経営者がターニングポイントに気づかれることが理想ですが、普通は経営者は前へ進むことに思いが行きますから、このことに気づくことは困難です。会社の経理担当のかたが進言されるのが良いのですが「下手なことを言えば自分の身が危ない」のでそのような話はしません。会計事務所がいうのが一般的ですが、最近は会計事務所も競争がし烈になって言うべきことを言えば解約になる、との気風ですから、結局誰も本当に役に立つことは言わないのです。

 

これが日本の社会の底にある、本当の空気ですから「行き着くところまで行かないと」気が付きません。

 

 話を元に戻します。

TSRの倒産企業に特有な指標の内、残っているのが下の三つです。

・経常利益率

・当座比率 

・総資産の減少

 

経常利益率:分子に損益計算書の経常利益/分母に売上高がきます。

 

 倒産企業は▲2.8%とのことですから、いわゆる赤字なのです。大事なことは、赤字の原因を突き止めることです。そのためには損益計算書を遡って粗利益と販売費一般管理費の関係を分析することです。粗利益が少ないことに気が付かれる場合が多いです。

 

当座比率:当座資産を分子にして、分母には流動負債が来ます。

 

 当座資産とは、現預金、売掛金、売買目的有価証券(投資等の部に区分されるものは除きます)など換金性の高い資産を指します。在庫は当座資産に含みません。

 

 当座比率は100%が普通ですが、TSRの倒産企業は53.0%しかありません。換金性のある資産で流動負債のおおよそ半分しか払えないことを示しています。お金が本当にないのです。

 

 当座資産に在庫を加えた値が「流動資産」です。

分子に流動資産/分母に流動負債をもってきた値を流動比率といいます。この比率は150以上が普通ですが、分子に在庫が入っているため、アブナイ会社でも150位はゆきます。過剰在庫が入っているためです。

 

そこで在庫を外して計算したのが当座比率です。過剰在庫を持っている実態が剥がされたのです。

 

 

 

- | 12:00 | pookmark
悪化する環境を乗り越える・・・倒産予備企業にならないために 6

 債務超過とはどのようなことを言うのでしょうか。漢字に答えがあります。

債務が××を超過しているのです。××がわかりますと債務超過が理解できます。

 

 ××とは資産です。資産より負債の方が多いことを言います。

仮に資産が100ある会社を例にとります。債務の方が多いのですから資産の100以上の債務があるのです。債務の額を120とします。

20が債務の超過額です。

 

 資産ー負債=純資産でした。数字を当てはめますと資産100ー負債120=▲20ですね。

この▲20は純資産の「食い込み額」を示します。別意の表現では自己資本がゼロを通り越してマイナス20なのです。

 

 TSRのデータでは倒産企業の自己資本比率が▲9.3%と説明されていました。上記の例よりマシですが、資産より負債が多いのは同じです。

 

 このことを現実に即して説明しますと、資産の部には

・現金

・売掛金

・在庫

・固定資産などがあります。この合計が100です。

 

負債の部には

・買掛金

・未払金

・借入金があり、その合計が120です。

 

 資産の部の固定資産を処分してお金に換え、在庫も現金化し、売掛金を回収しましたら手許の現金と合わせて100にしかなりません。

 

 借入金などは120あります。100では返せない債権者が出ます。債権者は勘弁してくれません。結局、破産するしか出口はないのです。

 

 事が起こったら破産ですが、資金が繋がっている間は表面化しません。このような表面化しないけれども、内実は破産している会社が多いのです。増えています。

 

 こうならないように借入金には注意しなければなりません。私たちは、上場会社の有価証券報告書を見ることができます。結構無借金の会社が多いです。

 

その原因は収益力の違いです。別の表現で言いますと借金の絶えない会社は、粗利益が少ないのです。

- | 12:00 | pookmark
悪化する環境を乗り越える・・・倒産類似企業にならないために 5

「会計事務所は引っ込んでおれ、(建物も含め)大きいところが信用できる、という言葉を4月17日号でご紹介しましたが、これまでと違って、これからは大きく変わりそうです。大きいところがアブナイことになると最近の本では書かれています。

3大アブナイところは

 ・銀行

 ・百貨店

 ・地方自治体  らしいです。

 

 理由など詳しいことは書籍を読まなくてもNetを探せば話題に事欠かないでしょう。そして自分で考えれば納得がゆく結論になると思います。私たちは、これまでの考え方ではとらえきれない大きな曲がり角にいることに自覚と、権威や巨大なモノから発せられる情報が?では、と懐疑的にみることが重要です。さもないと曖昧で意味不明な日本語という言葉を操って、本音と建て前を使い分けることが横行する中で、事実を確認しなければ道を誤ります。最近のTVの報道でも、言った、言ってない、会った、知らない、など真っ向から相反するコメントが飛び交っています。

 

こんな時、役に立つのは下の二つと思います。

 、行動を見ればワカル Actions speak louder than mouths(行動は口より雄弁である)

 、裏ずけのある数字を読み解く、そして(自分のアタマで)考える

 

ともあれ、このうちの2に非常に役立つのが次の指標です。

 

自己資本比率と債務超過

 

TSRの指標では倒産企業の自己資本比率が(平均で)▲9.3%であり生存企業は53.5%が30%以上であることと、倒産企業の63.2%が債務超過であると報じています。

 

まず自己資本比率とは:自己資本/総資産で示されます。自己資本の反対は他人資本です。貸借対照表の負債並びに純資産の部は、別の表現では負債→他人資本であり、純資産→自己資本と表現できます。

 

従いまして他人資本+自己資本=負債+純資産=総資産となります。

 

:負債50、純資産50なら自己資本比率は自己資本(純資産)50/総資産100となり、自己資本比率は50%です。この比率がマイナス▲とは自己資本がマイナスなのです。100の総資本のうち、負債(借入金もここに入ります)が109.3%であるということです。資本が無になることを通り越して、負債に押しつぶされた状態なのです。

 

 

 

 

 

- | 12:00 | pookmark
悪化する環境を乗り越える・・・倒産類似企業にならないために 4

 運転資金の借入金のターニングポイント(方針変更点)は次のように考えます。

 

損益計算書の利益+減価償却費+(受取勘定残高の期間減少額)+(支払勘定残高の期間増加額)+(在庫の期間減少額)−既存の借入金返済元金)<新規借入返済元金になる時は、新規借入をストップする時機です。

 

*損益計算書の利益と書きましたが赤字(損失)の場合はマイナスで計算します。期間減少額と増加額もマイナスの場合はマイナス

 で計算します。減価償却費と借入返済元金はマイナス(負数)はありませんから常に正数です。

*受取勘定残高とは貸借対照表の受取手形、売掛金、未収入金の残高の計を指します。

*支払勘定残高とは貸借対照表の支払手形、買掛金、未払金の残高の計を指します。

*期間減少額の期間とは月でも半年でも年でも良いです。照応して月なら損益計算書の利益や減価償却費も月で把握します。借入返

 済元金も月額によります。同様に半年なら半年、1年なら年額を用います。

 

例:卍商事(謎 深志社長)のデータは次のようです。すべて1年間で単位は万円です。

 

損益計算書 利益100  減価償却費300 受取勘定の期間減少額400 支払勘定の期間増加額500  在庫減少額ー600(期末在庫は前期より600増加していましたので「減少額」からはマイナスします) 既存の借入返済元金月額50万円、なので年額600の返済があります。この返済額には設備資金の借入返済元金も加えます。なぜなら資金が流出することに変わりはありませんから。

 

計算結果:100+300+400+500ー600=700・・・この金額が営業キャッシュフロー(営業の資金余裕)と考えます。投資活動はないとの前提ですので700が卍商事のフリーキャッシュフローでもあります。

 

700フリーキャッシュ−600借入返済の金額=100・・・運転資金を新規に借り入れるならば年間返済額100の枠内にとどめるべきでしょう。

 

ポイント:借入を考える場合は設備資金の借入金は別枠で考えますが、運転資金の借入枠を考える時には設備資金の借入返済額を加える点です。優先すべき基本は、設備資金の借入であること、運転資金のための借入は設備資金の返済を考慮した残りの枠で安全にと考えることです。

 

 

- | 12:00 | pookmark
悪化する環境を乗り越える・・・倒産類似企業にならないために 3

このママでは借金体質になってしまう、舵を切らなければと決断すべき時期は次のようになります。

 

借入金の返済高が一定の金額を超える時がその時です。

 

 その前に借入金を2種類に分けましょう。運転資金の借入金と設備資金の借入金です。決算書の上では短期借入金(一年以内返済借入金)と長期借入金に区分していますが、この分け方は1年ルールで短期と長期を分けていますが、これとは異なりますので、別に把握しましょう。

 

 その理由は、運転資金の借入金と設備投資の借入金は、いずれ返済しなければならない点は同じですが、使途は異なります。思い切って事業の目的を達成するために設備を整えることは手許資金では困難でしょう。借入金を導入して設備をフル回転させながら年数をかけて返済してゆくのが設備用の借入金です。

 

 一方、運転資金の借入金は日常の営業循環のなかで資金のほころびがあるため(必要に迫られて)借入するものです。できたら、このたぐいの借入はしない方が良いのです。しかし現実は背に腹は替えられませんから「繫ぎ」として融資を受け入れます。これも徐々に借入をしなくてよいように手を打つことで借金から脱出できます。

 

 性質が異なるこれら二つの借入金を一緒にしてしまいますと、何年先に完済しよう、との目標も立てにくくなります。いつかは目の前の借入金だけを返済すればよい、との認識になってゆきがちです。

 

 舵を切る時期は設備資金の借入金の方が分かりやすいです。

その借入金で購入した

  設備(工場、機械装置、大型車両など)の減価償却費借入返済額

・・・・が超えたら、それ以上の設備資金を追加に借入したら危険です。年間でも比べられますし、月割りにして比べても、どちらでも構いません。

 

 減価償却費の計算は以前にも触れましたが税法で決められた法定耐用年数によるのではなく、自社がその新設備でモトを取れるまでの期間(便宜上、見積耐用年数と称します)で計算します。会社の見積年数が法定耐用年数より短い場合は償却超過額が出ます。見積年数が法定耐用年数より長い場合は償却不足額が生じますが、税務申告の際に税理士先生に依頼されて申告調整すれば良いのです。

 

 計算例:2000万円のトラックを購入して5年でモトを取りたい場合。

     2000万円÷5年=400万円(年間)を超える返済は危険です。資金が回らなくなるかもしれません。

 

運転資金のターニングポイントは次回にご案内します。

 

 

 

- | 12:00 | pookmark
悪化する環境を乗り越える・・・倒産類似企業にならないために 2

 この有利子負債構成率ほど、その企業の現在位置を示すものは他にはないと思います。

TSRの示すところでは、生存企業のこの比率は29.1%であり、倒産企業のそれは65.5%です。この数値の差を良く考えましょう。健全な会社と倒産してゆく会社との差は倍以上です。この倍の開きの間に運命の分かれ目になった分岐点があると思います。

 

 その分岐点に行くまでに経営者は何かを考え、分岐点の前で方針を改め、借入金を減少させる方向へ舵を切った会社は、それ以降、波に乗って徐々に徐々に借入金が減少して29%レベルまで落ちた。一方、舵を切らなかった会社は、借入金が重たくなってゆき、(銀行の勧めもあったかもしれません)借換えを続けた結果、借金体質に落ち込でしまって、返済と借入の繰り返しの時期が続いた結果、身動きが取れなくなって倒産に至ったストーリーが読めます。

 

 運命の分岐点が何時なのか、更にピントを絞る必要があります。

その前に、事業を取り巻く今の立ち位置と少し先の予見をしてみましょう。

・粗利益は増えない、取り合いになる、生き残りが困難になる

・人件費への分配はもっと下がる。

・働く人の数も質も下がる。

・身の丈以上のサイズの会社ほど固定費が災いして行き詰まるのが早い。

・税金は増える、間接人件費(社会保険料や労働保険料などの)法定福利費はもっと増える。

 

 以上が我々を取り巻く境遇です。これまでと同じことを危機感なくやってゆけば、放っておいても借金体質に落ち込むのです。やがて一旦経済のクラッシュが来た後、金利が上昇しますと、とどめを刺されてゾンビ企業になります。

 

 例えますと、糖尿病になりますよ、と医師から警告されていても、TVのコマーシャルに釣られ甘い物やグルメに走って本当の病気になることと似ています。タバコが良くないと知りながらも、惰性で続け呼吸器系の病気や、血管の障害を併発します。

 

 甘いものやたばこを借入金に、TVコマーシャルを銀行融資係りに置き換えますと、これまでの習慣や惰性を断つことがいかに難しいかよくわかります。しかしここは決断が必要です。

 

 病気の例えよりも借入金が企業体に良くないことはもっとワカリニクイですから、決断しにくいきらいがあります。

そのうえ世間は会計事務所より銀行さんの仰ることを信用します。大きいものや権威のあるもの、国などの役所の言うことに本当に素直です。頭から疑ってかかるくらいでちょうど良いくらいなのに、、

 

 自社の状態を、会計を使ってひも解いて、自分のアタマで考えて、よく理解してから権威や大きなところの言うことに順応するのは良いのですが、経営者は自分のアタマで考えないで権威のあるところになびきます。

 

(社長)「お前(会計事務所)の言うことより、銀行の言うことが正しい!」、木村「なぜそう言えますか?」、社長「銀行の方が建物が大きい。これがすべてだ!!。(税理士ズレは)引っ込んどれ!」、木村の内心(大きいところほど、怪しいかもしれませんョ)。こんなやりとりを何回してきたかしれません。

 

 歴史を振り返れば国や巨大な権威がどれだけ誤りを、人々にもたらしてきたかが明白なのに、歴史からも学ばない人が多いようです。しかし私の言うことを理解し記録し、後々になって「アンタの言うとおりになったネ」といってくれる社長もおられます。きわめて少数です。

 

次回は、決断して舵を切る時期を会計から説明させていただく予定です。

  

 

 

 

- | 12:00 | pookmark
悪化する環境を乗り越える・・・倒産予備企業にならないために1

 前回に続きTSRの指標の意味することをワカリヤスク説明させていただきます。用いられています指標は以下です。どれも自社の倒産までの距離を示す指標です。これら以外にも有用な指標がありますが、キリがありません。指標の森に迷い込んで大局を見失ってはいけません。「少ない材料で徹底的に考える」ことが重要です。

 

1、有利子負債構成率

2、自己資本比率と債務超過

3、経常利益率

4、当座比率

5、総資産

 

1、有利子負債構成率

 長期短期借入金/総資産で示されます。注意しなければならない点は分子の「長期短期借入金」とは利子をつけて期限までに返済しなければならない借入金をいいます。ですから社長や役員からの借入金で返済期限があってないもので、しかも無利息のものは長期短期借入金ではありませんので除きます。

 

 分母の総資産は貸借対照表の合計金額です。貸借対照表は文字通り左右の合計金額がイコールですから資産合計または負債及び純資産合計のどちらの数字でも構いません。

 

 よく似た比率に「有利子負債比率」があります。これと混同しないようにしましょう。有利子負債比率は「有利子負債/自己資本」で示されます。分母が違います。有利子負債構成率も有利子負債比率も、共通する点はその値が低いほど良いのです。現実には中小企業は借入金が多く自己資本が脆弱で金額も少ないですから、「比率」の方はあまり使いません。借入金が少なくなって自己資本が充実した段階から参考にしてもいい指標です。

 

 この有利子負債構成率の意味は・・会社の経営に参加しているすべての価値に占める金融機関などからの借金が占める割合を示します。立派な社屋を建て、最新の機械を備え、社長や役員が高級車に乗っている中小企業は世間に多いですが、この比率が例えば70%なら、社屋も新鋭機械も、高級車もその7割は外部の金融機関が貸してくれているということです。

 

 人間のカラダに例えますと、元気そうな人にみえても実は輸血を続けながら生きておられるのです。自力で血液を作る機能はありますが30%なのです。利子がつきますから自己の造血機能は利息の分だけ負担がかかります。造血機能が100%で循環している人に比べ、負担が大きいので寿命は短いかもしれません。輸血の割合が少なくなってゆくなら話は別ですが。

 

 この指標一つをとっても自社に当てはめますと先行きの指針が見えてきます。国も銀行も頼れない時代へ変わってきます。まだ時間がある今こそ自力で立てる方向へ進みたいものです。

 

 

 

 

- | 12:04 | pookmark
悪化する環境を乗り越える・・・倒産予備企業にならないために・・・データが示す実態

 今日から新しい切口で始めます。

中小企業庁ウエブサイトの「白書・統計情報」から入りますと「倒産の状況」のページがあります。ここの<統計の作成方法>を経て株式会社東京商工リサーチ<以下TSRと表記します>の「最新記事」をクリックしますと全国企業倒産状況のページで平成30年2月から3月の倒産データをみることができます。「前年同月を上回る」との見出しの通り、倒産が増えていることがわかります。

 

 また「最新記事」→「データを読む」からサイト内を検索しますと、2018年4月9日付けで<2017年「倒産企業の財務データ分析」調査>の項目で、倒産に至った主要原因が書かれています。同じ4月9日で<「人手不足」関連倒産(2017年度)>も併せて読みますとリアルな実態が見えてきます。

 

 これらの記事は極めて有益です。記事が示す内容で、これまでこのブログで説明してきました筋書きに関連する部分につき、記事を引用させていただいて、私なりに説明したいと思います。(記事で使用されている用語はそのまま使用しています)

 

記事を簡単にまとめてみました。

 

倒産企業の特徴1、倒産企業の7割が減収・売上不足

        2、倒産企業は53.7%が赤字(生存企業のうち赤字は22%しかない)

        3、倒産企業の有利子負債構成率は65.5%過、剰債務が足かせ(生存企業の有利子負債構成率は29.1%)

        4、倒産企業の自己資本比率が▲9.3%、債務超過企業は63.2%。(生存企業の53%が自己資本比率30%以上)

        5、倒産企業の経常利益率、平均▲2.8%と低い(生存企業は6.3%)

        6、倒産企業の当座比率、平均53%で苦しい資金事情(生存企業は80%)

        7、倒産企業の総資産10%減少、資産が縮小(生存企業は4.2%増加)

 

 以上の傾向をみますと、私は、倒産の元凶は3,4,6が示すように、身の丈以上の借金であること借金があるので受注にも後れを取りー1、後れを取るから値段交渉も強く出ることができないために経常的に赤字体質になり−2、5、体力を失ってゆくー7のではないかと思います。

 

 どの会社も好んで身の丈以上の借金を背負うことはしなかったはずです。しかし環境が急速に悪化して借金が根付いてしまって、気が付いたら身動きできない、事業を止めるに止められない事態に落ち込んでしまったのでは、と思われます。

 

 さらに今後は、人手不足と消費税増税が追い打ちをかけてきます。とくに人手不足はサービス業と建設業に顕著であるとTSRの記事は書かれています。そのうえ供給過多と人口減で国内の需要は頭打ちのようです。

 

 資金不足が常態になってからでは膨れて鈍重になった決算書をスリムにすることは大変です。少しでも早く、我が社が身軽になるように手を打たれて、粗利益も多く取れる利益体質にすることが必要です。

 

 次回から、上記にまとめました1〜7の分析比率がどのようなことを意味するのか、そのことと経営上の行動の関連につき触れてゆきたいと思います。

 

- | 16:55 | pookmark

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