腰高時代の資金と税金 —大廃業時代:個別企業の現実と税制—

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『会計力』が事業を育てる ─会計土木®の現場から─
経営の要点を数字の観点から読み解くブログ。完結しましたので当所のHPに移設しました。
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事業家Qシリーズ掘 仝槎篝罵士、相続税、

早速、事業家Qは顧問税理士に会って、これまでのご無沙汰を詫びるとともに、これまでのいきさつを説明し、Q自身に相続税が課税されるレベルなのかどうかを試算してもらいたいと依頼した。

 

話を聞いた顧問税理士は申し訳なさそうに、その件はお受けできません、とのこと。

Qは接触が少なかったために断られているのかと思い、聞いてみたところ、そうではなかった。

 

顧問税理士曰く「ボクは相続税法を受験の時に選択しなかったので相続税はわからないし、これまでもそのような(相続税の)依頼はなかったから相続税はできません」というものであった。

 

彼は言葉を継いで、自分は領収書などからコンピュータのソフトにデータ入力して会計帳簿を制作するのが得意であること。法人税申告書作成もするが、Q社の現状打開のための相談などの込み入った事案はできるだけ避けたいのが本音であるとのことであった。

 

Qは税理士にもいろいろあることを以前に講師税理士から聞いたことを思い出した。

と同時に、この人物が非常に愛想がよくソフトな人当りであったのは、自分の勉強不足をカムフラージュするためであると思った。

そして急速に失望感が広がった。

 

仕方なく、講師税理士に資料を揃えて相続税の試算を依頼した。

その結果は、不動産の評価額が高いために相続税の課税が生じ、Q死亡の際には、申告が必要になるだろうの結果であった。

 

その時に講師税理士から先日の代替案についてどうするのかと聞かれた。

Qは正直のところ決めていないこと、貸借対照表から「社長借入金」を消すためには

 

1案では資本金が大きくなりすぎて、簡素化して見かけより中味充実の方針に合わないこと

2案では、多額の法人税がかかってしまうこと

4案は、事業廃止が前提であるため当社にはなじまない

 

以上から考えて3案に惹かれたが、債務免除した債権の残額に対し相続税の課税がされることが今日ハッキリしたので、痛しかゆしで迷っていると答えた。

 

<次回予告>

ここで講師税理士は第5案ともいうべき事業譲渡と解散を含む提案をしたが、組織変更を伴うので事業家Qはためらうことになる。

 

 

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事業家Qシリーズ掘Qが貸したQ社貸借対照表上の「社長借入金」

少しづつ再建が軌道に乗ってきたので、稼働しなくなった旧部門を部門ごと売却することを考えたが、この際、Qが会社に貸付けた3000万円が気になってきた。

 

講師税理士にどうすればよいか相談したところ以下のような代替案を示してくれた。

 

<キーワード>現物出資、DES、債権放棄、債務免除益、簿価と時価評価、債務「消滅」益

 

1案、社長借入金3000万円を貸主であるQから会社に簿価で現物出資する。事業を継続しているので3000万円の増資になる。その後、資産の部に新たに計上された(自社宛)貸付金3000万円と負債の部に残っている社長借入金を相殺する。以前にお話ししたDES(debt-負債と equity-資本の swap-入替え)という方法であるが結局社長借入金を資本の部に振替えたことになる。

 

メリット資本金が3000万円増加する。構えは大きくなる(貸借対照表の計上位置が負債の部から純資産の部の資本金に移るだけで経済的実体は変わらない

デメリット:もともとの資本金5000万円+3000万円で資本金は8000万円になる。租税特別措置法の税額控除が使用できない(適用の上限が3000万円までであるからもともと無理、特別償却は1億円まで可能なので影響なし、適用可能)。

 

2案、Qが社長借入金を債権放棄し、Q会社は特別利益(債務免除益)3000万円を計上する。

 

メリット:負債の部がすっきりする。Qは貸付金がなくなるため相続税が軽減される。

デメリット:Qは貸した金を今後請求できない。Q会社は法人税が課税される、但し繰越欠損金が3000万円以上あれば法人税の課税はない。

 

3案2の応用繰越欠損金の範囲までQが債権放棄する。繰越欠損金が1700万円あれば3000万円のうち、1700万円まで債権放棄する。Q社の貸借対照表、負債の部に残額1300万円がなお計上される。残額には相続税が課税されるデメリットがある。

 

4案、事業を休止したり解散などで廃業する場合は満額の3000万円ではなく返済可能な金額(時価)でDESする。3000万円を現物出資した場合と異なり、例えば債権の返済可能額(時価評価額)が1000万円なら、1000万円分が相殺で貸借対照表から消え、差額の2000万円が債務消滅益として<原則は>法人税がかかる。債務「消滅益」と上記の債務「免除益」とは別のものである。

 

メリット<特定の場合は>債務消滅益への課税はない。なぜなら解散の場合には(残余財産がない場合)法人税法59条3項で、繰越欠損金はもとより期限切れ欠損金も充当して使えるからである。

デメリット事業を停止しなければならない。

 

以上の説明を聞いた事業家Qは、自分の資金を困っている会社に提供しただけなのに、それをクルクル回して挙句の果てに税金がかかることがよくわからないし、不満であった。

 

いずれにしてもQに相続税が課税されるか、そうでないかがハッキリしないとこの問題は進まないことが分かった。

 

<次回予告>

顧問税理士に相続税について聞いてみた。

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事業家Qシリーズ掘 ー,寮勅命燭箸

事業家Qは早速、次の次元への計画を考えた。たしかに浮かれていてはすぐ競争に負ける、ゆっくりしている暇はなかったが、心の中では、いつまでこの生活が続くのか、借金を完済してゆっくり「花鳥風月」を友としたような日々を送りたいとの思いが横切った。しかし従業員のことを考えてその思いを打ち消した。

 

講師税理士にどうせ突っ込まれると思い、先手を打って大前提として以下を明記した。

1、見かけだけを大きくしないこと

2、拡大志向より内側の充実

3、秀でたものを大事にする

4、従業員と共に、の気持ちで。

 

次にQは講師税理士のキーワードを読み解いた。

 

 資金余裕枠で、外部の研究機関に委託して新技術の開発をすることと、政府または地方自治体の助成金を得ること。その場合は利益が増加することで法人税が多額になるが法人税法42条の特別な会計方法(圧縮記帳)をすることで、この利益への課税をされないで繰延することが可能であること。

 租税特別措置法の優遇特例はダブって使えないところ、圧縮記帳は「法人税法の特例」であるので二重適用の制限はない。そこで租税特別措置法上の優遇措置である特別償却または税額控除を適用して税負担を軽減し資金の余裕を持続する。材料革命と技術進歩によって旧型になる設備は換金できるうちに早めに処分して資金を溜めること。

 

資金の余裕が出てきても借入金は折角の銀行の良い条件であるから早く返す考えは捨てた

 

以上を計数化してから事業家Qは講師税理士を訪問した。

 

講師税理士は、製品Xを製造しない古い部門を部門ごと事業譲渡(従来の営業譲渡)することも勧めた。理由は資金確保である。さらに以前のように弱い立場ではないから、強気でダメモトでゆけば足もとを見られることなくうまく運ぶかもしれないと言った。Qは成る程と思った。

 

<次回予告>

社長借入金の始末と相続税試算

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事業家Qシリーズ掘 ^燭詁、突然に講師税理士がQ社を訪れた

 株主を整理し、製品Xとその付随サービスに集中掛売りの交渉では一歩も引かず自社の条件を通すことができたため、キャッシュサイクルはドンドン好転し資金にも余裕がでてきた。Qは、作業着で工場の現場に入って生産に従事する日々であった。

 或る日の午後、講師税理士が突然に訪ねてきた。近所まで来たからとのことであった。

 

講師税理士:どうですか調子は。実は今日来たのは、これからのために第2ステップに進むことが必要と進言しに来た。

 

(その話の要旨)

1、前に貸借対照表をご自分の手で改められて資産の部が棄損している反面、負債の部は1円たりとも動かせないことを知られたと思うが、(資金の供給先である右側の負債・資本の部が過大で、資金の使途を示す)バランスシートの左側がメタメタなのは実は他の会社も、地方自治体も、国も、外国の政府も(自分独自の観察ではあるが)数字の桁は違っても傾向は同じと考えている。たとえば「のれん」勘定が多額なほどその中身は怪しいと思えばよい。ヘンなM&Aもあるから。

 

 反面、世界全体の負債188兆ドル(約2京500兆円)にもなっている。世界中のGDP(総生産高)の2.3倍らしい。どういうことかというと世界中のお父さんやお母さんが働いた額の2.3倍の負債があるということ。給料の2.3倍の負債(借金)では返せないからサラ金に行くのが流れだが、スケールが大きくなってしまって、そんなサラ金はない。あとは潰し合いの世界しかない。

 

2、世界の自国通貨区域拡張のための覇権争いのうえ、通貨の過剰供給で資金(その本性は巨額負債)がダブついて、その遣い道がないからM&Aで国内や外国企業を買収したり、不動産購入したり、ヘンなイベントしたり、国と国では地下資源がある孤島の領土争いになっているのは資金がある今こそ手を打とうとしているからと自分は考えている。大会社の役員は青い目の人ばかりになって、けなげでまじめに働く我々は気がついたら働かされるだけの存在になるかもしれん、と。

 

3、いわば腰高になっていながら、し烈な競争が繰り広げられているが最後は勝者と敗者はハッキリする。借方の中味が脆弱なところから困難に直面して大が小を喰う大きな渦ができる。この中に巻き込まれないためにはQ社も次元を上げないといけないと思うョ。ここで講師税理士は、せめて水くらい出してよと注文を付けた。

 

急に大きな話が始まったので事業家Qはきょとんとしていたが少し事情が分かってきた。M&Aで他所に頼らなければならない「弱い会社」にならず独自の立場を維持する必要があるということか、と訊いた。

 

講師税理士は、Yes「例えが大きいが国と国では兵器の質と量で決まる。弱い兵器しか持たない方は相手の言うことを聞くしかない。事業の場合は技術と開発力や。前置きが長くなったがこの部分を強化してゆくことが必要ということや。」と答えた。

 

講師税理士の話は、いつもまず世界という中に現実を放り込んで徐々にスケールを縮小して目の前の課題につなげるのでワカリヤスイ。初めはこの男「誇大妄想狂」カイ?と思ったが最後まで話を聞けば言いたいことは分かる。

 

要するに資金の余裕ができた今、満足していないで次のことを考えてどんな手を打つのか、先行きは厳しい世界ですョ、というのが彼から出された課題であった。

 Qはビールでも出しましょうかと言ったが、イランと言い、代わりにヒントキーワードを残していった。内容は自分で調べよと言った。

 

<キーワード>委託研究、助成金、圧縮記帳、特別償却、税額控除、不用資産売却

 

<次回予告>

Qはキーワードを指標に次元を上げるためのシミュレーションを開始した。同じ試算でも、以前の窮境のときに比べたら楽しかった。

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事業家Qシリーズ 掘,垢戮討鮟弧鵑垢

<先週までのあらすじ>

未だ方針が決められないQはM&Aなども考えたが、甘かったと自覚し、地道に材料仕入先の変更、生産工程の改善などに取り組んだが、どうしても固定費を削減するには従業員2名を解雇しないと乗り切れないことが分かった。

 

(Q社以外に青色申告で倉庫業を営んでいたが)

Qは会社とは別に個人で小規模の倉庫を運営してきた。この申告は自分の計数感覚と所得税制を知る目的で自分の手で損益を集計して所得税決算書で10万円の青色申告特別控除を適用してきた。

 

「選択と集中」の言葉通り、Q社の従業員を解雇するのに個人事業でもあるまいと思い至り、ここからの収益をQ法人に合算するため荷主との寄託契約の地位法人に移行した。また自分のQ社からの給与を生計費ギリギリまで減額した。

 

(銀行と話合ったら)

役員報酬の大幅減額や人員削減、シフト制での給与額減少などの効果で利益体質が損益計算書に表れるようになった内容をを携えて銀行を訪問した。今回は訪問前にあらかじめ電話にて貸付担当者に話を通しておいた。

 

そのためか銀行では貸付担当に加え支店長も同席したのが意外であった。Qは予測損益計算書とキャッシュフロー計算書を見せて説明した後、

1・生産品目の集中と工程の切り替えに伴うつなぎ資金

2・退職従業員2名分の退職金のための資金

  がどうしても要るので500万円を追加融資してほしいこと。

3・当初の貸付け条件の弁済時期を3年ほど延長してほしいこと。

4・今般、その収益をQ社に統合した貸倉庫を追加担保に入れても良い

  との条件を述べた。

 

貸付担当者から話の概要が支店長に伝わっていたと見え、回答は支店長からあった。以下の通り。

・予測の計数表が誠実な数字で書かれている印象をもっています。これまでの御社の決算書と違いま 

 す。

・倉庫部門の収益増加がパワーアップになっています。

・ご希望の500万円は、旧債振替で、これまでの貸出金残高に上乗せしてご融資させていただきす。

・完済期日は3年延長します。これで毎月の弁済額はかなり下がります。

・倉庫を追加担保にされるには及びません。

条件が一つあります。試算表を当行に毎月ご提出ください。社長持参でお願いします。この意味は月

 次報告をして戴くためです。

 今後、業容が芳しくなければ増し担保として倉庫物件のご提供をお願いすることあります。

 

個人事業を法人に統合し、給与も生活最低限まで下げた効果は大きかった。

事業家Qは身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある」ことを知るのであった。

 

 その後、従業員2名と時間をかけて話し合った。二人の中堅従業員は、Qが準備した退職金を手にして黙って辞めていった。Qは慚愧に堪えなかった。

 後日、Qの役員報酬が限度まで引き下げられたことが経理事務員の口から全従業員に流れていたことを知った。

 

<次回予告>

再建案に沿った事業展開が軌道に乗ってきた。銀行への返済額が軽減されたことが大きかった。

 

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事業家Qシリーズ 掘〃弉茲鯲り直したが固定費がネックに

Qは製品Xとその付随サービスに注中することにしたが材料仕入は外国産にすることはやめ、国内の少し値段が安いものを使うとともに、外注に投げることは却って採算が悪くなることが分かったのでこれまで通り内作で事業を継続するシミュレーションをした。

 

<キーワード>固定費 変動費 損益分岐点

 

(シミュレーションの結果)

必達売上高は従来より少なめにしたので連動して材料費も減少したため粗利益はソコソコの金額を計上できることが分かってきた。

しかし、コストのうち製造量を下げることに連動して変化する材料費などの「変動費」と異なり、製造量に関係なく出てゆく「固定費」が従来のままの金額であるため、損益分岐点はさほど下がらず、粗利益−固定費はマイナスであることが分かった。

 

特に人件費と法定福利費をはじめとする間接人件費の合計がマイナスの主因である。

結局、給与の高い2名の中堅従業員を解雇し、残った従業員のうち高齢者にはシフト制にして週2日の出勤に変えることでやっと採算がとれ、借入金の月次返済もできることが見えてきた。

 

このような机上の計算を実現するには2名の従業員や高齢者との面談で実態を伝え理解を求めることは避けられない。

退職金の手当はしていない、というかできなかった。退職給与引当金が法人税法で計上できたころまでは、その見返り預金を積立してきたが、経営が苦しくなってきたころにこの制度も廃止されたので積立預金を取崩して通常の預金口座に移行してしまった。そのため退職金の財源はない。

 

長年勤務してくれた2人を退職金なしで放り出すことはできない。そのうえ予告手当も必須である。資金残は通常の支払分しかない。資金がないからといって従業員数を減らさなければやがては倒産である。Qも含め全員が路頭に迷うことになる。前門の虎、後門の狼である。

 

事業家Qは青写真の変更をした報告と、資金不足の妙案を求めて講師税理士を訪問した。

 

(講師税理士の言ったこと)

・人間は誰でも構えが大きいことを好み、内容が伴わないのにカタチを求める。ここに落とし穴がある。これまでの貴社である。

・しかも「大きいカタチ」を求める心底には「見栄」がある。そして背伸びし、無理に無理を重ねて重態に陥る。

・今は量や構えではなく質の時代であることを知ろうともしないで、実力もないのに構えを求めている。相変わらず。

辛抱して地力をつけるマインドがなくなってるから店でも会社でも見栄に捉われた本人にはわからないが他人にはわかる。

二つの「J」が大事。JIMIとJIRIKIや。

損益計算書が「実力」を示してくれるのに大概の経営者は見ない、学ばない、以前のアンタも含めて。その結果がヒサンな貸借対照表になり自滅してゆく。自滅寸前のゾンビ企業が多くなっている。

・こんなゾンビが倒れてゆくのがこれからです。

 

だからカッコつけんと、なりふり構わずに命も含めて投げ出す度胸を決めよ。人間はいずれ死ぬ、だから死んだ気になって対処しろよ。

何度も同じこと言わすな。これから一人でビール飲むから帰ってんか!

 

そうや、いつも心に念じている古い短歌を教えてあげるワ。

「切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ、踏みこみゆけばあとは極楽」

さいなら、気ィつけて帰りャ。

 

<次回予告>

他人に辞めて下さいと言いながら自分はどこまで裸になっているのか、「踏みこんでない」自分に気付いたQは更に考えた。

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事業家Qシリーズ 掘仝積を取って実際に歩いて分かったことは

Qは早速各社を回って折衝し、見積書を取って確かめた結果、現実は講師税理士の示唆した点が明かになった。

 

1、外国からの仕入れ:購入するロットが少ロットでは相手にされず、先方のロットに合わせたらQ社の生産量では材料の消化がゆっくりであるから却って材料在庫が増加すること。仕入価格に商社マージンを加え、輸入手数料であるハンドリングフィーや輸入消費税、関税、引取運賃、運送保険料、荷役費がかさみ1単位当たりの仕入単価は、生産が少ロットであることも影響して現在の国内モノを使うより高くなること、更に為替の変動で円安に振れればさらにコスト高になるリスクがあること。

 

2、工程を外注に投げる:この場合は、Q社の工場から外注先までの半製品のロジステイック費用(行き来する運送費や梱包手数料など)がかかる上、運送時の事故などで半製品がダメージを受けた場合の危険負担はQ社と外注先の何れが負うのかの事前取決めなどの問題が出てきた。Q社の半製品は特殊品であるため代替品で間に合うものではなく、容易に融通できず、事故が起これば、たちまちQ社工場での「仕上げ工程」は「工程に穴が開く」手待ち状態になるため「操業度」は著しく低下する。運送業者との交渉は困難が予想される。結局のところ原価UPにはなっても原価節減にはならないことが分かった。最悪、運送事故が起こって損失を負担した場合には、更に大きな傷を負うことになる。

 

3、銀行:は「これまで御社は期日を違えることなくキッチリと返済していただきましたのでご希望に沿いたいが、期日を後に伸ばす条件の変更は勘弁してください」と慇懃に断られた。いつもの事業家Qなら「ではどうしたら毎月の弁済額を減らせてもらえますか?」と突っ込むところであるが、その気力もなくうなだれて銀行を後にした。

 

 帰社してデスクに再建計画表を広げたQはフェイクでない決算書を顧問税理士が作成してくれていたら、これほどまでキズが大きくなることはなかったのにと後悔した。無理して黒字を計上するのが良いと言った顧問税理士の顔が浮かび腹がたったが、それも自分がOKしたのであるから怒りの持って行き場はない。Qは冷蔵庫からグッと冷えたビールを取出して一気にあおった。

 

アルコールが少し入って落ち着いたQは再考して次のような方針しか残されていないことを知った。

 

<次回予告>

現状の固定費(人件費、間接人件費、リース料など売上高に連動して伸縮する「変動費」と異なり、節減が難しい費用群)が壁になることを思い知る。 

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事業家Qシリーズ 掘Qは会社の青写真を作ってみたが

意識を最重要点である会社の再建策に絞って日夜考えに考えた結果を持って講師税理士を訪ねた。

 

Qが考えた要点は次であるが、まだ詰め切れない点を残している。

 

1、事業を他社ができないX製品とその付属品Yに絞り、これ等の据え付けとメンテナンスサービスに特化する

2、材料仕入れ先を、円高になることも見越し単価の安い外国製品を扱う輸入商社に変更する。

3、工程を見直した結果、材料投入工程と仕上工程以外の中間工程は外注先に委託する。

4、銀行に話して毎月の支払額を減少させ、完済時期を先に延ばすことをお願いする。

 

黙ってQの説明を聞いていた講師税理士は、このことと「並行してすることがあるのではないか」と言った。

 

講師税理士が言うには、貸借対照表の資産の部、負債の部の見直しはされたが、大きな区分が残っている。それは「純資産の部」である。ここが未整理である。未整理とはQ以外の株主が名前を連ねている。この人たちは、再建ができたらできたで利益の配当を要求する。再建が頓挫したら、会社法の取締役の善管注意義務や忠実義務違反を任務懈怠など理由にして責任を追及しかねない。これでは委縮して思い切った手が打てないのでは。

 

Qは盲点を突かれた気がした。確かにそうである。講師税理士は会社の財務内容が底である今こそ、書類作成の上、株主に連絡し株式の価値がない今こそ名義をQに書き換えよと言った。

 

そして再建案に関し、彼の思う疑問点を付け加えた。

・外国からの輸入で果たして価格が下がるのか?

・銀行がYesというか?

・外注への切替えで原価が下がるのか?

 

講師税理士は相手から見積りを取らないと、とても結論は出ないと付け加えた。

 

<次回予告>

見積を取って詰めてゆくと、想定とは逆の結果がでてきてQはまた大きな壁に突き当たる。

 

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事業家Q士リース供々峪媽罵士の見解

講師税理士は事業家Qに対し、自分の見解を言った。

 

 これくらいで諦めたらイカン。破産を考えることの前にすることがある。だから破産など考えないこと。

 ゴミを整理した貸借対照表には生きた資産が7000万円もあるではないか、これはゴミを落とした後だからあなたのチカラになってくれる。不良債権はなくなって正常債権ばかりの売掛金の回収分と手持金で買掛金や預り金は支払える。

 

 問題は銀行借入金の返済に対する考え方だ。約定があるのになぜ完済を急ぐのか。急ぐことはない、できれば、月次の返済条件を暫く長めにしてもらう条件変更の申入れが望ましい。

 

 しんどいのはQ社だけではない。地方都市では人口減少で活気はない。空家が増えその土地は捨値である。それでも買い手が付かない。所有するほうも売却価格より固定資産税のほうが高いところもある。

  地方自治体の会計は国からの地方交付税がないと成り立たない財政状態であるから固定資産税は大きな税収であり地価が下がってもなかなか下がらない。住宅ローンの破綻やカード破産が急増している。

 

 この地方都市の現状は日本中に広がる。

この中で借入金を返してゆくのであるから返済は急ぐことはない。銀行がQ社への貸付金をサービサーに転売したらむしろ交渉しやすい。

 

解決すべき問題は

1、今後事業を継続できる柱になる部門があるかどうか。ここが最重要。

2、そこからの確実な収益とキャッシュフローの入金額が読めるか、どうか。

3、事業には適正規模がある。人員もそれに照応して適正人員がどれくらいかを見て退職勧奨もしな

  ければならない。想像以上に辛いことだが、泥をかぶることを覚悟するこ

4、社長借入金は返済しなくても良いが、相続税で課税されることを防止するのなら、会社の損

  失額と見比べて債権放棄の方法もある。別にDES(Debt Equity Swap)・・債務の資本への繰

  入・・などの方法もある。ここは核心の問題ではないが方法は色々あるから枝の些事は心配しなく

  てよい。

今は急がず、意識を最重要の点のみに絞ること。

 

これらの話を講師税理士から聞いた事業家Qはこの税理士にすべて見透かされていたことを知った。

 

<キーワード>

事業適正規模 連帯保証 債権放棄 DES 

 

<次回予告>

核心の製品とサービス 基幹工程以外は外注化で対応も検討

 

 

 

 

 

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事業家Qシリーズ供,海Δ覆辰晋彊を掴んでいるか。

<先週までのあらすじ>

 大ナタを振るって貸借対照表を改訂し再建への道を模索したQは講師税理士から計画の欠陥を指摘されて壁に突き当たった。いっそM&Aを考えたが講師税理士から、現実を見ていないこと、上滑りの知識しか持たないで意思決定しようとしていることに気付かされた。

 

 

引続いて講師税理士は次のように話してくれた。

 

講師税理士:ハッキリ言わせてもらうけれど貴社の貸借対照表を見てココと合併したいと思う会社があると思いますか?大した資産もなくて銀行借入金と社長借入金が付いているような。

 相手方の立場になれば分かるでしょ。目を覚ましてください。

書物かインターネットか知らないけれど、それよりも自分の足もとをよく見はったらどうですか。どのように行動するかの順路を自分の口で言えないのにM&Aなどというものではありません。下手すると仲介会社に足もとをすくわれますよ。

 

このままでは下の二つしかありません。

1、破産する。銀行借入返せないから。あなたもその借入金の連帯保証人だからあなたも個人破産します。個人破産の場合は手続

  きによって一定額まで自由財産が残りますが。詳しいことはは弁護士さんに相談され、依頼されるのが良いでしょう。

 

2、活路を見出すか

 

Qは弁護士への依頼ときいて改めて自分が追い込まれている現実を自覚した。

 

 講師税理士はココで話を切替え、このようになった原因を考えましょう、何が原因と思いますかと事業家Qに聞いた。

 

事業家Q:過剰設備投資とそれで生産能力が増えたので過剰在庫になってしまいました。設備投資は銀行借入でまだ足らないのでリースを組んだのですがもちろん解約できませんので、生産量を少なくしてもそれらの機械設備は眠っています。その反面、リース料は口座引き落とされますから自分の乏しいお金を会社に入れたので「社長借入金」が多額になってしまいました。

 

それと売掛金の回収速度(日数)より買掛金の支払速度が速かっので風呂の例えで言えば浴槽の湯がなくなりました。

 

講師税理士:イエース、そのとおりですね。アメリカを見習わないかんね。

 

<次週予告>

破産を避けたいQに対し講師税理士は借入金の返済を「急ぐこと」はやめて、先行きの経済の見通しをもとにせよと諭した。

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