Q:先ほどとは逆に、我が社が窮地に陥った場合はどうなりますか?
A:二つの救済の道があります。
1、まだ差押がされていない場合:納税猶予の申請ができます。
要件は「事業に係る著しい損失を受けた」こと、その他類する事情があれば、納税の猶予申請書を税務署に提出します。認められれば1年以内の猶予がされます。再申請 にてさらに1年の猶予期間の延長の道もあります。
2、既に差押がされている場合:換価の猶予の申請ができます。
換価の猶予とは、既に差し押さえられている財産の換価(原則は公売で売り捌かれます)を待ってくれる内容の申請です。待ってもらう期間は原則1年ですが最長2年まで延長が可能です。
要件は「一時に税金を納付することで事業の継続が困難」になるおそれがあり、納税について誠実な意思を有するときです。
この「事業の継続が困難になる」とは、資産の処分や費用の縮減、借入金返済額の減額、資金調達の努力をしても、国税を一時に納めると、事業を続けられないことを指します。自己努力を前提にした制度です。
この場合に重要なことは、まず、収支の分析から始めて、事業の継続が困難になることや、自己努力をした経緯について計数的に説明できることです。顧問の会計事務所の支援が望ましいです。
3、1と2は併用できません。
1の納税の猶予が適用されている場合は換価の猶予は認められません。
4、必要なこと
1も2も、申請書の他に
収支の明細、
財産収支状況書(分割納付計画付)
財産目録
等の提出が必要です。これらは法律で定められた最小限です。自社の資金状況を良く説明するために、補足資料を提出することが良い結果を導くためには必要です。これらの書類を記載する過程で、自社の資金の状況などを再検討します。
平素から自社の資金状態を詳細にチェックされておられますと、この段階には至らない場合も多いです。