設備投資を例にとって、細部の前に大局をみて、さらに設備投資を実行するばあいの波紋がどこまで広がるかまで想定することが重要であるとお話ししました。
しかし大局といってもそれは我が社という船の中での、大局です。そういう意味では、我が社という船が航行している海域から見れば、それらは大局ではなく小局かもしれません。
では我が社という船をとりまく経済の状況(いわば航海してゆく場合の天候のたとえられます)は、どのようなものなのか、しっかりと先行きを考えてみることが必要です。それは最悪のストーリーかもしれませんが、これ以上は変わらない現実として受け止めましょう。
その場合大事なことは、
・最小限の想定に留めること・・・・広げてゆけばキリがない世界や架空の世界に近づきます
・確かな根拠がある事実を積み重ねること・・・・風聞は排除します
・統計データを根拠にする場合は、確率や前提でカバーされない場合がある限定を設ける・・・90%が黒という統計でも10%は白であ る部分をみて、根拠にしないとブレてきます
ではこれからの経済の動向はどのような様子になるのでしょうか?
・これまでに作られたインフラは過大であり公共投資は限界、商品やサービスも供給過多が露骨に見えてくる
・人口減のため人手不足は確実
・仮に移民が取り入れられても、言葉の壁がありスキルや経験のいる分野はなお人手不足
・地方の過疎化は止められず、大都市への人口移動はなお続く
・給与はパレート最適の法則どおり、2割は大きく増収しても、8割は減収により相対的窮乏化
・消費税をはじめそのほかも増税の傾向は避けられないので、個々人の財布の中身(可処分所得)が少なくなる傾向
・政治の大変動で原油、金利、為替が大きく揺らぐことが公共料金、銀行融資、株価に連動して影響が出る
これ等が、確実なことではないでしょうか。我が社という船が行く海域の天候は荒れ模様のようです。