(事 例)
粗利が足らないとのご指摘はもっともですが、根本的な問題の解決にはならないと思い、この際、年間で支払う税金を書き出して整理してみました。今のところ、滞納はしていませんが(役員からの借入や、主要な仕入先への支払のジャンプなどで凌いだからです)いつまでも役員借入金に頼ることは限界があります。仕入先へのジャンプは信用が落ちて行き、仕入単価への上乗せや、支払い条件が厳しくなったりしかねません。どのように対処したら良いでしょうか?
(キーポイント)
全体を見るために税金の支払額を書き出された点は非常に良いことです。
物事の全体を見ないで、対症療法をしてこられたのですから、ここで舵を根本治療の方向へ切られることは正解です。
(いずれどうなるか)
根本治療をされないまま対症療法をされますと
・役員借入はできなくなります。資金が底をつきますから。親戚から借りることを考えがちですが、これはやめましょう。あとあ
とたたります。
・役員借入金も立派な借金ですから、この金額が多額である場合は銀行からの融資も困難になってゆきます。といいますのは銀行
から見れば、融資したお金が事業に使われるより個人借入の返済に回るのですからよろしくないのです。
・仕入先は警戒して与信枠を狭めてくるでしょう。
このようにして、事業にかけられた枠がきつくなってゆきます。資金はこの状態でも既に不自由になっています。このことに気が付かないまま別の銀行に融資を求めて実行してもらいますと、いっときはよかってもまもなく返済ができないようになり、まず役員報酬の遅配が始まります。
(手 順)
試算表を検討しましょう。今度の決算での結果を読みましょう。その結果次第で納税が起こるか起こらないかを見ます。利益が出ていない場合には法人税や事業税の納税はありませんが、消費税の納税が起こる場合が多いです。
打つ手は次の手です。
1、役員借入金は借り増ししない。返済もすストップする。凍結です。
2、売掛金の滞留先と話を詰めて滞留分を回収しましょう。
3、役員報酬を減額します。大きく。法人税法の「業績悪化改定事由」に該当することを顧問の税理士さんにあらかじめ
確認しましょう。さもないと後々、法人税の課税で困ることになります。