「表面の顔」と「本音の顔」の両方を見ましょうと先回書かせていただきました。表面の顔=建前とも表すことができます。
重要なのは本音の部分です。このなかで本音が通用しないのが4の役員退職金です。
1、倒産速報
=本音そのものです。
行き詰まりの実態しかありません。この情報から何を読み取るかが、今後の動きを決めます。
わが国の給与はデフレの下で抑えられてきました。香港やシンガポールに抜かれています。できる人材はアジアでも不足してゆきます。適正規模を視野に入れながら下手な拡大は要注意です。下手な拡大には借入金の増加と間接人件費(社会・労働保険料など)の増加に加えスキルの習熟までの時間コストがかかります。
2、改正税法
建前=雇用の推進と需要の喚起が狙いです。
本音=国の経済と貴社のサイズは違いますから、国の振興策と貴社の方策が相容れない場合も当然あります。粗利率の傾向、利益が出てるのか、今の需要は一時的なものではないのか、新規設備を購入して(リースによる取得も含みます)も、半分しか稼働しない場合が結構あります。足元を見ましょう。
3、銀行借入金
建前=「資金をご融資しますョ。この機会に大きく伸びましょう」
本音=(銀行員の)貸出残高のノルマがキツイです。「中間決算の9月末に借入してくれたら、10月に入ったら返済してくれるのでもタスカリマス」どこかお人好しの社長はいないかな?が本音ではないでしょうか。
4、役員退職金
建前=周りも「いつまで社長をされるのですか?」と聞いてくる。後継者にも責任ある仕事ができるようになってほしい。そろそろ「代替わり」ということにするか。
本音=オレの作った会社じゃ。表面は「取締役相談役」でも実権は誰にも渡さんゾ!。下手に譲ったら会社を潰されてしまう。いつでも後継者の首を刎ねるために社長のイスは譲っても、持株は譲らんぞ。メイン銀行との折衝もワシが出んと進まん、これはワシの仕事や。主要な得意先にはカオを繋いでおこう。大事な会議にも出て、睨みをきかさんとイカン。次の社長にはもっと「社長学」を付きっ切りで教えないと、、。
税理士さんは社長交代後の役員給与は半額以下にしないと税務署に認められないと言ってたから半額でも仕方がないが、退職金はグッスリ取っておかんと先延ばしはイカン。今取らないといつ取るのだ。
4については次回にご説明します。