腰高時代の資金と税金 the Final Stage

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相続税納税のさい物納を選択することに伴う助言は必要か

  遺産に株式があり依頼者は相場の動きを見て利益を取りたいと思う反面、株価が下落した場合のリスクが現実になって争いになったケースです。

 

(ストーリー)

父の相続で税額の殆どを株式による物納で納付した依頼者は、母の相続税の申告においても物納を考えていた。しかしこの株式の配当基準日が近ずくと名義を母から自分に変更したうえ売却した(第1回売却)。その後、依頼人は信用取引で同じ株式を購入し、数日して売却(第2回売却)して利益を得た。このことは税理士には話さなかった。

 その後8月13日に残の株式を売却した(第3回売却 この3回目がポイントであった)

10月の納期限が近くなるなか、株式市況が悪化したため、延納許可申請を税理士に依頼し納期限には納付額の半額の2億5千万円円を現金にて納付し、残り2億円を延納にした。10月に延納申請したのはリーマン・ショックで株価が下落し納税資金が不足することになったためである。

 

(依頼者の言い分)

税理士が物納について説明をしてくれないから、自分は物納ができないものと誤信して(第3回売却で)物納収納価額よりも低い相場で株式を売却することでの納税を余儀なくされた。物納の収納価額と売却額の差額6974万円が損害額であるから支払え、と訴えた。注:依頼者は父の相続の際、物納をしておりこの主張は??である>

 

(税理士の言い分)

依頼者が株式を第1回、第2回に売却した時期には(相続)財産目録も未完成の状態であったから(納税額すら不明であり)物納の可否について確答できる状態ではなかった。当方も依頼者が株式を売ることは予見できなかった。物納についての結論を示さなかったために損害を依頼者に与えてはいない。

 税額が確定した8月に納税額を説明して金銭での納付書を渡した際には、依頼者は金銭での納付が困難であることや、物納の話題は依頼者からは一切出なかったので物納の話も出さなかった。

 

(結 末)

8月に納付書を渡した際に税理士として、株価が相続開始時の価額より下がった場合には市場で売却するより物納の道もあることを説明して検討すれば「第3回売却に至らなかった可能性は相当程度認められる」と裁判所では判断され第3回売却分株数に限り、その価格差につき税理士に損害賠償を課した。なお依頼者側にも、泡よくば投資利益を求める姿勢があるため過失相殺3割認定し、税理士の賠償額は7割となった。

 

(教 訓)

1、言ったことや、(この場合は物納について)言わなかったことの責任が何時から始まるのかを

  約書で明確にしないと世間話の段階からも責任を追及されかねない。

2、依頼者が聞いてこなかった点(物納)についても税理士は、遺産額の現預金を知る立場にあるか 

  ら「納税方法はどうしますか」と踏み込み遺産の現預金では不足する場合には資産譲渡(相続税

  加算のアドバイスも勿論)や延納、物納などの選択肢を一緒に検討するこが必要である。ツメが甘

  くならないためのポイントであると思われる。

 

参考:tains Z999-0170

- | 17:23 | pookmark

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