腰高時代の資金と税金 —大廃業時代:個別企業の現実と税制—

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特例の適用を説明しなかったのは契約違反なのか?

(ストーリー)

 依頼者はバブル期に不動産を相続したため高額の相続税負担を強いられた。納税に際して延納申請したが高い利子税の負担をすることになったうえ、延納分割税額支払いのため借入したため利息の支払いを余儀なくされた。

 その後、借入金完済のため相続物件を売却したが、バブル崩壊のため不動産の価額が下落していたうえ、売却に伴う譲渡所得税の負担などにより依頼者は相続した財産の殆どを失った。

 相続税額納付前に譲渡時の取得費加算の制度を用いて相続不動産を譲渡したり、物納をしておけば利子税、借入金利を負担しないで済んだことが恨まれる。

 

 税理士は相続税申告の際に取得費加算があることを依頼者に話したが積極的にその利用を勧めることはなかった。その後、地価下落で苦しむ延納申請者救済措置として、特例物納制度が設けられたので税理士はこの制度を使って相続不動産を物納することを勧め、このために税理士協同組合関連の不動産処理専門会社を依頼者に紹介した。

 税理士はこの会社に対し、延納を物納に変更するか、売却して相続税を納税し借入金を完済することの検討を求めた。この会社は事前調査をした上で、特例物納制度を使って物納することを税理士同席の場で提案した。しかし依頼者はこの提案に乗る意向を示さなかったばかりではなく委任もせず、費用も払わなかった。

 

(依頼者の言い分)

・税理士とは相続税申告を依頼した際に「包括的」委任契約を結んでいるので、期限内に相続不動産の売却をすることで取得費加算の優遇措置を用いたり特例物納制度について説明、指導する義務があったのにそれを怠った。

・このため延納利子税、借入金利息計1億円に加え弁護士費用1千万円を負担することになったのは税理士の義務違反が原因であるから1億1千万円の弁償のを求める。

(税理士の言い分)

・「包括的」委任契約を締結していない。依頼を受けて相続税申告、譲渡所得申告の手続をしたに過ぎない。

申告手続きを超えて取得費加算や物納の説明や指導をする義務はない。

・よって依頼者が損害を蒙ったには責任はない。

 

(結 末)

・契約書がないので、依頼者が申告手続きを超える包括的な税務処理を求めた証拠は認められない。

・契約書を作成しないまま具体的な事務処理をすることもあり得るが、そのうような仕事をした形跡もないうえ報酬も支払われていない。

・このような事実から税理士との包括的処理契約締結の事実はないので、依頼者が言うような義務は税理士にはない。

 

(教 訓)

・契約書があるかないか以前に税理士が申告料以外の報酬の支払いを受けていない点が決め手であったと考えられる。

・「包括的」な契約をしていない場合でも、意味不明の報酬を享けることは義務が存在することを示すことになり、義務の履行が不十分であれば賠償の余地が生じる。

・契約書を作成しても業務範囲が明確でない場合は依頼者側は契約の文言を拡大して、アレもコレも依頼した気になる懸念があるので注意が必要である。

・業務範囲を細かく列挙し、それに照応する報酬を限定列挙して定めることが必要と思われる。

 

参考:tainsZ999-0104

 

- | 14:58 | pookmark

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