数字が語る事業の潮時、変わり時 - AI・RPAの先にあるもの

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補助者が誤った説明をしたため依頼者に損害を与えた場合の責任の及ぶ範囲

(ストーリー)

・依頼者法人は、税理士事務所並びにこの税理士が経営する記帳代行・コンサルタント会社と顧問契約をしていましたが、住宅供給公社から依頼者法人が所有する土地建物の買収の話があり、これに応じて売却し移転先を探すことになりました。

・移転先として購入しようとした物件の借家人が立退かないことがあったりして移転計画の進行は遅れていました。

 

税理士は従業員を補助者として買換資産特別勘定を8億円計上して移転に備えました。2年後の決算では2億円を特別勘定から取崩して繰越欠損金に充て、残りの5億円を翌期に繰越す処理をしました。(原則は2年までで翌期繰越すことはできません)

このときに「特定資産の買換えの場合における特別勘定の設定期間延長承認申請書」と嘆願書を税務署に提出しました。この翌期に買換資産を取得したので繰越された5億円を益金に算入しました。

 

しかし買換えの特例を受けて圧縮記帳ができるのは2年までのため依頼会社は税務署に更正処分を受け、その後不服審査請求をしましたが棄却(門前払い)になったうえ多額の税負担のほか過少申告加算税も課される結果になり、損害賠償を税理士、補助者、記帳代行・コンサル会社の3者に求めて争いになりました。

 

(依頼者の言い分)

・移転計画の進行が遅れていると報告したのに震災特例法に定める「延長申請」をしなかったため圧縮記帳の優遇を受けられなかった。説明義務違反である。

・代替え資産の取得が3年以内に不可能であることを知りながら依頼者に隠して嘆願書を税務署に提出した。

 

(税理士の言い分)

・延長申請は震災に関連しなければ申請できないものであり、本件は震災に関連がないので、税理士に提出義務はない。

・移行遅れの報告は聞いていない。圧縮記帳ができる期限については依頼者に説明したら、やむを得ない事情がある、税務署に認めてほしいと要請されたので嘆願書を出した。

 

 

(結 末)

・税理士、補助者、記帳代行・コンサル会社の3者は顧問契約しているのであるから3者とも買換制度とその適用要件について正確に

 説明する義務があった。

買換資産特別を計上したのであるから当然に代替資産の取得時期について注意を払わなければならない。

・税理士が作成したメモには圧縮記帳を受ける期間などの記載は全くない。このことから説明したとは認められない。

・補助者は税務署に確認して延長は認められないと回答を受けていた。

・正確な説明を依頼者にしていないと「推認」できるから債務不履行責任を負わなければならない。

・圧縮記帳は課税の免除ではなく繰延であるから損害額の算定は困難であるから民訴法248条により算定する。

 

 

(教 訓)

・10億に近い資産の買換え事案にもかかわらず、税理士の関与先への説明は不十分であったことが遣り取りからうかがえる。

・関与先担当者の経験、知識、力量も考慮し決して任せきるにすることがないよう税理士みずからが規定を調べ、疑問があるなら関

 係各局に問い合わせて(依頼者が迷うことがないような)不動の結論を示すのが普通の業務水準である。

 

参考:tainsZ999-0053

 

- | 09:03 | pookmark

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