腰高時代の資金と税金 —大廃業時代:個別企業の現実と税制—

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減価償却方法の選定ミスが税負担に影響する訴えを退け、立証責任は依頼者にあるとした例

(ストーリー)

 設備投資が多額であるため依頼者は税理士に対して定率法で確定申告することを依頼しました。税理士は確定申告に際して減価償却の計算は定率法で行ったものの、肝心の定率法による「減価償却資産の償却法の届出書」の提出を忘れていました。このため定額法で計算した金額までしか必要経費に算入できず定率法による申告額と定額法の償却限度額との差を修正申告することを余儀なくされることになり、差額分に係る所得税、住民税、延滞税、過少申告加算税の合計額約3800万円の損害賠償を税理士に対して求めました。

 

(双方の主張)

依頼者:定額法・定率法の違いで償却額に差はなくても税金の額には差額はある。税理士は、定額法を続けていれば先には減価償却費の額は定率法より定額法が多くなると反論するがそれは利益があってのことである。先の利益は見込めない。現に競合店の出現で利益は下がっている。不利に払った税負担額を弁償してほしい。

 

税理士:償却期間全体を見れば定額法と定率法に差はないので修正申告しても損害は発生していない。

 

(結 末)

・加算税は損害に該当する。減価償却費は償却期間の全体を比較すれば、初めのうちは定率法の償却費

 が多く、その後は逆に定額法

 のほうが多くなり、期間全体で見ればいずれの方法であっても税負担への影響はない。

・依頼者は「利益が異なれば定率法と定額法で税金額に差が生じる」と主張するが「償却期間を通じて

 納税総額に差異が出るかどう

 かは損害を主張する依頼者が立証すべきである。依頼者の主張は立証責任を税理士に転換するもので

 あり採用できない」として本税の賠償請求を棄却した。

 

(ポイント)

・税理士のウッカリによる定率法の届出書失念は議論以前のことである。注意しなければならない。

・利益があってこそ減価償却費が税額に影響するとの依頼者の主張は、青色申告で損失を繰越すこと

 ができることも視野に入れると

 表面的であり一概に言い切れない。まして利益や損失は読めないので減価償却の方法次第で税負担に

 どのように影響するのか説明は困難である。

・依頼者の主張は支払う税金の多寡が核心になっているが「利益」という不安定なものを土台にしての

 立証は困難であると思われる。

その立証責任は依頼者にありとした点は重要である。

 

参考:tainsZ999-0102

 

- | 11:42 | pookmark

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