腰高時代の資金と税金 —大廃業時代:個別企業の現実と税制—

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土地の譲渡があった場合に個別対応方式で消費税計算をしなかったことで損害賠償請求

(ストーリー)

 消費税の課税売上割合が95%以上である建設会社について、消費税法30条<仕入控除>が改正されたことで、これまで同様に全額控除ができず個別対応・比例配分の選択が必要になったにもかかわらず税理士は依頼社に説明・問合せをすることなく比例配分方式で消費税申告をしました。

 この選択は重要で、一旦比例配分を選べば以後2年間はこの方式に縛られ、個別対応方式を選択することはできません。

建設会社であるため土地の売却などがあれば年度によって大きく課税売上高が変動する特性がありました。たまたま21億円の不動産の売却があったため比例配分方式で(個別対応方式を選択した場合に比べ)多額の消費税負担を強いられたうえ、翌事業年度も比例配分方式での計算を余儀なくされ2年間過大消費税額の納付をする損害を蒙ったとして税理士を訴えました。

 

(双方の主張)

依頼社:非課税売上である土地売却があり課税売上割合が大きく下落する年度は連動して控除税額が少なくなるため個別対応に比べて過大な納税になったのは税理士が翌年度の取引の見込みも含めて比例配分の危険性を説明する義務があったのに怠ったことに由来する。そればかりか不動産取引の有無すら問い合わせず、個別・比例の計算の説明もなかった。

 

税理士:12年申告時に13年に不動産の売却をすることの認識は不可能であった。12年の課税売上割合は95%をわずかに下回っただけであった。個別対応方式になれば膨大な作業が必要である。

 

(結 末)

・税理士には両方式の選択次第で納付消費税額が大きく変わる可能性を説明すべき契約上の義務があったのに不動産売却の事実の問

 い合わせすらしなかつたのは過失である。

・税理士の事務を軽減するため簡便な方式を選択したとしてもその理由を依頼社に説明すべきである。

・整理回収機構との不動産の任意売却の交渉に税理士は当たっていたから依頼社の資産状況を把握できていた。そのため依頼社から

 報告がなかっても不動産売却の可能性は認識できた。不動産売却を予測できないから契約上の義務違反はないとの言分には理由は

 ない。

依頼社のほうも現実に不動産を売却した後に税理士と会った際、売却の事実を報告しなかったばかりか「うちの不動産を20億円で

 買ってくれるようなお客さんはいませんかねえ」とあたかも不動産がまだ売却されていないような話をしたことを考慮すると損害

 額の3割を過失相殺とするのが相当である。

 

(ポイント)

 遣り取りからみえることは税理士への不信である。不動産が売れているのにまだ売れていないような会話をする背景がよくわからない。税理士も手間がかかる個別対応を避けたかったようであるが手間がかかるのなら費用を請求することで補うこともできるのではないか。膨大な作業が必要との抗弁には疑問である。

 

参考:tains Z999-0099

 

- | 09:00 | pookmark

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