腰高時代の資金と税金 —大廃業時代:個別企業の現実と税制—

<< August 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
Profile
税務会計 フォアユー パートナーズは、仕事の質で貢献する税の専門家集団です。日本経済がどうであろうと、関与先各社は利益を生み続ける、そんな集団でありたいと日々関与先サービスに努めております。

サービス案内等、詳しくは当所のHPをご覧ください。
Previous
『会計力』が事業を育てる ─会計土木®の現場から─
経営の要点を数字の観点から読み解くブログ。完結しましたので当所のHPに移設しました。
MOBILE
qrcode
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
譲渡所得:現実の動きを知らされず原則論を回答しただけで修正申告分の賠償を求められた例

(ストーリー)

 既にH9年分の譲渡所得がある依頼者は先祖伝来の土地の譲渡時期を10年度にしたい気持ちがありました。9年に売買契約し10年1月に最終決済と引渡しをする売買契約を結びました。

 買い手の都合で所有権移転登記は9年にする話が持ち上がり税理士に10年分の譲渡になるか確認したところ、税理士は、引き渡しと最終支払が10年であれば10年の譲渡になると原則論で答えました。

 ところが契約書では最終引渡しは翌年1月になっているものの、9年11月の中間金支払い時に所有権移転登記をするだけでなくこの日以降売主は担保責任を負わないこと、危険負担は買手に移転すること、公租公課も売主は負担しないことが明記されていました。税理士は蚊帳の外で、申告時期までは売買契約書を見ることはありませんでした。

 実際には9年12月に買主はこの土地を隣地の所有者に転売し直ちに盛土をして造成に着手しました。これらの動きも税理士には知らされませんでした。

 11年3月に税理士はこの土地の譲渡所得申告と特定事業用資産買換の申請をしましたが税務署からこの土地の譲渡所得発生時期は9年であるから修正申告を求められました。依頼者は税務署に異議申立をしましたがされ棄却され、税理士に損害賠償を求めました。

 

(双方の主張)

依頼者:税理士と顧問契約を締結していた。譲渡の契約内容について点検する義務が顧問税理士としてある。義務違反である。

税理士:顧問契約は締結していない。申告手続きのみである。義務はない。

 

(結 末)

譲渡の日は所得税基本通達36−12にいう「支配の移転の事実」によるから中間金受領日である9年11月である。

売買契約の草案を税理士に送った事実は認められないし、履行状況の報告もしていない。これらのことから売買契約の内容を点検

 する事務委任の事実はない。よって請求を棄却する。

 

(ポイント)

 依頼者との間にヒトを介在させないことが濡れ衣をかぶせられることを防ぎ、被害を避けるために重要であるが、本件は買主であるとともに仲介業者でもある人物が介在したためストレートな情報が税理士に伝わらなかった。

 この人物は成果を焦ったのか譲渡される土地上の建物賃借人に売主の了解をえないまま勝手に立退き交渉までしている。このことは勿論税理士には知らせていない。それどころかこの人物は自社が損害賠償されないためにか税理士に売買契約の中味を読み聞かせたと証言したが、この証言は自社と自己の利益を防衛するためのフェイクと認定され「採用しがたい」との結果になっている。

 別に依頼者の妻は税理士の発言時に録音隠し撮りをしており反訳書を提出したが認められていない。税理士は油断もスキもない環境にある。

 

参考:tains Z999-0109

 

- | 08:51 | pookmark

Copyright ©FOR YOU INTERNATIONAL Inc. All rights reserved.

Powered by ロリポブログ