腰高時代の資金と税金 —大廃業時代:個別企業の現実と税制—

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事業家Qシリーズ 最終篇 組織変更を伴う第5案

<先週までのあらすじ>

苦渋の決断をして従業員の退職、事業の集中などを実行した結果、銀行の協力も得られたQ社は復活の軌道に乗ってきたが、最後に残ったのが3000万円の「社長借入金」であった。この始末のため幾つかの代替案を講師税理士に示されたが、却って事業家Qにとって迷いのタネになるばかりであった。

 

講師税理士が新たに出してきた第5案は以下の内容である。

 

<キーワード>繰越欠損金、期限切れ欠損金

 

1、まずピカピカの新会社を設立する。社名は取りあえず新Q社で登記する。現在のQ社で生きている

  設備その他の資産と共に債務も債権者の承諾を得た上で新Q社に事業(営業)譲渡する。

2、この段階で現在のQ社には繰越欠損金と期限切れ欠損金と社長借入金だけが残る。

3、社長借入金を時価評価額(1000万円とする)でQ会社へ現物出資し1000万円増資になるとともに

  物出資された1000万円と社長借入金1000万円を相殺する。

4、社長借入金は2000万円が残るがこの部分は債務消滅益になる。

5、債務消滅益はまず繰越欠損金と相殺し、残りの金額は期限切れ欠損金を使えば債務消滅益はゼロ

  なり課税はない。

6、資本金は1000万円分増加するが解散、清算の過程で残余財産はないから配当も不要で、資本金は

  無に帰す。

7、現Q社は清算結了でなくなるから、同じ所在地で新Q社の商号をQ社に戻す。

 

この結果、繰越欠損金や期限切れ欠損金に社長借入金は吸い込まれ、雲散霧消する。「社長借入金」が原因で相続税の課税はない。

 

これを聞いて事業家Qはマニアックな技法に嫌気がさすとともに、こう反論した。

「そのようにDESをされなくても、私がアッサリと3000万円全額を放棄して債務免除益を出せば、繰越欠損金を使って債務免除益を無しにすればいいのではないですか」

 

講師税理士は、繰越欠損金は資産の部をに大ナタ振るわれた金額のうち法人税法の定めで損金に算入できる分を加えても1700万円しかありません。3000万円の債務免除益との差額1300万円には法人税がかかります。だから期限切れ欠損金を使うことが無税にするためにはどうしても必要です。但し、期限切れ欠損金は解散し残余財産がないと見込まれるときでないと使えません。Q社を解散するために事業譲渡をするのです。

 

Qは本末転倒のような気が拭い去れなかった。持ち帰って考えると言った。

 

<次回予告>

事業家Qの最終決断

- | 09:00 | pookmark

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