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納税者・国・税理士 3者間紛争 <納税者 対 国>1

1、あらすじ

 青木さん(仮名、以下同じ)は以前に貸金業をしていたが、当時は会社代表者であり、駐車場の賃貸収入と土地3筆の地代収入がある。税務調査で土地3筆の地代収入(以下単に地代収入とする)が申告洩れであることを指摘された。

 青木さんは所得税確定申告を昔は自分で行っていたが、最近は税理士に依頼して申告していた。税理士とは直接会って話したことはなく、経営する会社の事務員(以下事務員という)を使者として書類を届けたり税理士並びに税理士事務所補助者(以下、補助者という)からの質問の回答をさせていた。

 税理士は自ら依頼者である青木さんはもとより、使者の事務員に接することはなく、事務所の補助者に事務員と面接させ、補助者が受け取った青木さんの資料や伝言をもとに所得税確定申告書を作成していた。

 税務調査で指摘の地代収入の申告が何年にもわたって洩れていたことに関して青木さんは、その土地に関連する支出が多く、損失もあったことから利益はないと思い、不動産所得の申告はしなかったと主張している。

 ところが税務調査での遣り取りでの発言のほころびが見つかり、そのうえ税理士にも地代収入を計上しない申告資料を渡していたこともあり、税務署は仮装隠蔽並びに「偽りその他不正の行為によってその全部若しくは一部の税額を免れ」(国税通則法70条4項)たとの処分をした。仮装隠蔽だけでは通常は5年間(当時は3年間)遡って課税されるところ、偽りその他不正の行為に該当すれば7年間に遡って課税される。

 

2、顛末

 青木さんは異議申立て(現在の「再調査の請求」)や国税不服審判所への審査請求をしたが、いずれも棄却の決定がされ、最後の手段として裁判所に以下の点の取消を求めて出訴した。

・「仮装隠蔽の事実」はなく「偽りその他不正の行為」もしていない。違法にされた処分を取り消せ。

・当時の法律では3年間遡っての更正処分にとどまるところ「偽りその他不正の行為」に該当することにより7年間遡っての追徴をされた。3年を超える4年分の更正処分による追徴税額を取り消せ。

 

 しかし判決は、その賃料収入に係る不動産所得を申告すべきことを熟知しながら、確定的な脱税の意志に基づき、当該所得に関する資料を意図的に税理士に提示せず、同税理士に過少な申告を記載した確定申告書を作成させてこれを提出するという「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」をした、これらは仮装隠蔽に基づく申告であり「偽りその他不正の行為」により税額を免れたものであるから法定申告期限から7年を遡った税務署の処分は適法である、と結論し青木さんは敗訴した。

                             <参考:TAINS Z888-2229>

 

<次回予告>

 青木さんの発言の「ほころび」に焦点を当てるとともに、そのことがなぜ「確定的な脱税の意図」との厳しい表現になるのか、税理士に事実より少ない所得を記した資料を渡したことが、はたして仮装隠蔽になるのか、仮装隠蔽に該当すれば「偽りその他不正の行為」に必ず結びつくのか、などについて検討する。

 

 

 

- | 08:06 | pookmark

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