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納税者・国・税理士 3者間紛争 <納税者 対 国>5

青木さんと税理士の関係の検討

 

1、一度も依頼者に会うことなく申告することのリスク

 税理士が申告をすることは責任を伴う。ミスがあれば損害賠償を請求される。このため私などは複数の税理士を雇用していた頃でも最終責任を負う立場であるため、実務の進行は他の税理士に任せることを予定していても、必ず面談し、質問し、依頼を受けるに足る人物ないし会社であるのかを確認した。 法人で規模が大きい場合は過去の申告や経理体制、帳簿組織を現地で数日をかけて確認し、最終には社長の経理及び申告に関する考えかたと、それを裏付ける申告履歴を示す書類の検討を行う。

 

 そして受けるか、お断りするかを決める。(こちらが、ご依頼を受けさせていただきますと答えても、先方が断ってくることもあった)ともあれ、相互に相手をチェックすることは必要である。

 

 本件の税理士は、補助者に先方の事務員との応対を任せ、税理士が先方の事務員と会うこともなかった。このためスキができたと考えられる。その隙が青木さんに別の気持ちを抱かせたとも考えられる。税理士を騙せば、税務署も騙せることの成功確率は高いと考える納税者はあまた居る。こちらが当て馬にされることがないか焦らず構えることである。関りができてから断ることは気まずいし、不愉快なプロセスを経なければならない。

 

2、青木さんが訴訟に進んだことについて

 税務調査で地代収入の申告洩れを明言しているのに費用をかけて訴訟に進んだことが「確定的な脱税の意図」との判決文の表現に繋がったと考える。調査官に明言した内容は、覆らない事実である。いわば「私は赤信号にもかかわらず道路を渡っていました」と警察官に明言したことを例として考えると、訴に進んだことは不可解である。

 

 しかも青木さんは裁判ではこの土地に関しては多額の支出または損失があったと主張したにも拘らず、それを裏付ける資料も出さずに敗訴した。自分の立ち位置の認識をする機会はなかったのか。

 

 いずれにしろ、事実を示すしっかりした証拠と、所得がないことを説明できるに足る説得力ある論理の裏付けがあって初めて道が開かれる。特に訴訟をしなくても更正処分の段階で収束するほうが(TAINSの記録を読む限りでは)時間的、経済的にも合理的な決着ではなかったかと思う。

 

3、仮装隠蔽について

 税務調査で申告洩れが見つかり、仮装隠蔽と処分されても、国税不服審判所で主張することによって、その処分が取消されたケースもある。そのケースを2例紹介したい。

 

・太陽光発電設備が期末である3月31日までに完成しないと認識していたにもかかわらず、請求書の欄外に「工事は同日に完成する」と記載したことは仮装隠蔽とは言えない。虚偽であっても将来の(完成)予定日のことなので仮装ではないと結論して審判所は納税者の主張を採用した。<平成28年 4月19日 東京裁決>

 

・相続税申告において生命保険金を、相続人である自分の銀行口座への振込で受取り、無申告であった。税務署からは仮装隠蔽とされたが、税務調査にてこの預金通帳を調査官に逡巡なく提示し、無申告の発見を困難にさせる行動はしなかったことや、遅滞なく修正申告に応じたことなどの事実から故意で生命保険金を除外したとは認められず、審判所の裁決は逆転し、納税者の仮装隠蔽に該当しないとの結果になった。<平成28年 5月20日 東京裁決>

 

青木さんの例は少しの対応の差で、まずい結果になったように感じる。

 

<次回予告>

 依頼者と税理士が合意の上で架空経費を計上した場合や、依頼者に知らせずに税理士が架空経費を計上して申告した場合の検討をします。

- | 08:08 | pookmark

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