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納税者の品位と税理士の立場・・・9

(問題の制度設計・・・3)

 

不服審判所で「問題になった税理士の行為」と「問題の制度設計」との接点を見てゆく

 

(問題の税理士の行為:再掲

・関与先に来て整理棚に保管されていた経理書類を自分の事務所に持ち帰って帳簿や申告書の作成を行った

・支払い内容が不明の支出は仮払金・前渡金に一旦計上し、自己の判断で仕入勘定に振替えた

・決算にて仕入れ勘定が過大になったため不安になり、売上勘定に2000万円を追加計上して法人税申告書を作成し申告した

・受任した納税者法人に税務調査があり、除外された現金売上金1700万円が指摘された

・納税者法人から「税理士が除外した1700万円を上回る2000万円を追加計上したことは知っていたされた」と主張された

・更に納税者法人は「現金売上1700万円が申告で洩れたのは、税理士が当社に現状の問題点について説明や指導を充分行わなかった結果である」と主張された

 

(問題の制度設計:再掲

1、税理士は会計帳簿や取引書類など申告の基礎になる情報を収集すること

2、法令、課税実務の取扱い及び裁判例の動向を知ること

3、採用しうる処理方法などについての的確な助言や作成した申告書の内容を説明すること

4、その際、特定の処理方法を採用する場合の税務リスクとともに申告内容全体の税務リスクを示すこと

 

 税理士の行為と制度設計を見比べてまず第一に気付くことは、税理士が持ち帰った経理資料から「現金売上」は初めから(納税者法人の手で)脱漏していた点である。納税者法人は初めから税理士には脱漏させた「現金売上」のことは話していない。

 

 税理士としては勝手に会社事務室の机の引出しを開けることはできないから「事務机に隠された1700万円」には気が付かないものの<制度設計1、税理士は会計帳簿や取引書類など申告の基礎になる情報を収集すること>との関係で問題が残る。

 

 制度設計1は、申告の基礎になる情報収集を求めている。ということは網羅的な情報収集を行うことが必要である。事務机に隠された金員には気づかなくても網羅的な情報を求めるには質問し、キャッシュの出入りをチェックし、預金間の資金移動、現金売上の対応する仕入・在庫の存在と動き、粗利益率の年次比較などは実行可能である。

 

 この意味からは制度設計が求める水準は妥当である。税理士は、網羅的な情報を求めた行為の「証跡」を文書によって自ら保管することで不服審判所での「濡れ衣」を防ぐことができたと考えられる。残念ながら税理士の行動からは経理の下請けの姿勢しか感じられない。

 

 税理士に、あれこれ聞かれたり確認されることを露骨に嫌がる納税者は多い。「おとなしい」税理士が好まれる風潮は否定できない。しかし問題が起こったときに納税者は本性を現す。

 

<次回予告>

制度設計が税理士に求める他の点についても検討してゆく。

 

 

 

- | 08:01 | pookmark

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