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納税者の品位と税理士の立場・・・12

(問題の制度設計・・・6)

 

「問題の制度設計」によれば非違があった場合には加算税を税理士に賦課するという。この制度は

1・「申告の基礎になる情報を会計帳簿などから集めること」を要件としているが1700万円の除外分は税理士は知らないから該当しない。

2・「法令等の動向を知ること」に関しても該当するかしないかは判然としない。

3・「採用しうる処理方法」についても、売上除外を税理士は知らないから助言しようがないが、後段の「申告書の内容を説明すること」に関しては「説明していない」と言える。申告内容を説明すれば当然に仮払金計上額を売上原価に振替え加算したたことや売上高に2000万円を追加計上した事実を話さなければならない。話せば会社は異議を唱えたであろう。

4・リスク説明については、実施したか否かは判然としない。申告書全体の税務リスクもした形跡はない。

 

 以上のようにこの税理士は「問題の制度設計」がいう適正な申告書を作成しているとは言えない。なので納税者法人に成り代わって加算税を負担するとの結論になる可能性がある。

 

(この税理士が負担する加算税の額はいくらか)

 納税者法人は1700万円を売上から除外し、税理士が勝手に2000万円を売上に加えたので納税者法人には非違はない、よって加算税の負担はありえない、というのが納税者法人の主張であったが不服審判所にて棄却されたことはすでに述べた。

 

 結局、加算税の計算基礎になる金額は仮装隠蔽された1700万円である。重加算税35%が課されるので595万円が負担税額である。不服審判所の採決では税理士のした2000万円は重加算税の計算基礎にはならないので、納税者法人が595万円を負担することになるが「問題の制度設計」によって判断すれば異なる結果になる。

 

 問題の制度設計では「適正な申告書を作成した場合」は免責されると読める。瑕疵ある申告書は「適正な申告書」と言えないからこの税理士は595万円負担すべきことになるが、本ケースの場合、瑕疵は納税者法人が原因であって、この税理士には関係はないことを証明すれば税理士は免責される、との考えも生じる。

 

 本件税理士は依頼者とのコミュニケーションがない点で稀な税理士かもしれないが1〜4を実施していても税務調査で非違が見つかる場合がある。税理士が「問題の制度設計」に嵌まらないためには自己の立場に関しての立証が必要になる。

 

<次回予告>

 終局には売上除外された1700万円は税務署の手で(増額)更正された。税理士が勝手に計上した2000万円は一種の粉飾であるから「修正の経理」を行った後、該当税額分は還付されると考えられる。

 この手続きを通して、税理士に「問題の制度設計」が重加算税を課す余地があるのかについてさらに分析してゆく。

- | 08:36 | pookmark

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