数字が語る事業の潮時、変わり時 - AI・RPAの先にあるもの

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納税者の品格と税理士の立場・・・16

(問題の制度設計・・・10)

 

前回は個人事業や芸能人などを例として見てきた。では会社の場合はどうか。

 

 会社内部での不正は税理士実務ではしばしば遭遇する。従業員による売上の着服、売掛金のラッピング、預金のカイティング、在庫の横流し、経費の流用がよくあるパターンである。税理士業務では特別に契約する場合以外はこれらの防止は業務範囲外である。但し会計組織において問題が起こらないように(例えば記録・保管・承認の分化などの)改善の提案はする。なぜなら、筆者は過去に相当の注意意義務を欠いたとして損害賠償請求はされなかったものの、顧問契約は取り消された経験があったため、私の場合はそこまでの目配りをしたことを文書にして残すことをしてきた。

 

 余談になるが米国ではFraud(経理不正)の防止と摘発は会計専門家の一分野である。CPE(継続研修)ではかなりの研修時間が投下され年に数回、Fraudのカンファレンスやシンポジウムが開催されている。

 

 以上のうち納税額の減少につながるのは売上の着服である。

法人の不正は3パターン考えられる。

 

パターン1:経営者が売上を除外した場合

パターン2:経営者から経理を任された人物が(経営者と共謀して)売上を除外した場合

パターン3:経営者から経理を任された人物が(経営者に知らせないで)売上を除外した場合

 

 法人とは称しても大会社であれ零細会社であれ法人自体が不正行為はしない、できない。法人がレストランで食事できないのと同じである。行為の主体は法人組織であれ(個人事業は勿論のことであるが)常に人間である。

 

 「問題の制度設計」を当てはめて税理士に加算税を課すことができると考えられるのはパターン1と2について税理士が感知できるだけの手掛かりがあるのに確認を怠った場合である。手掛かりすら知ることができない場合は情報収集できなかったとしても理由があるので対象から外れる。まして法令の動向やリスク説明については接点すらない。

 

 パターン3は取締役の注意義務が問われるのであって、会社の問題であり、税理士が「情報を収集」する範囲外である。

 

 「税理士の情報収集が不十分」である場合の該当例は少ないのが結論である。

 

 以上のように、現実に該当する例が少ないとしても、「税」を納税者本人に賦課しないで国の手で税理士課税に転換することは税を負担する者を勝手に変更することになり別の問題がある。税理士が悪質な処理をしたのなら税理士には税理士法での制裁と依頼者からの損害賠償が待っている。ここで償いは済むところ、国が「本来の納税者の加算税を免除し、同額を税理士に付け替えて新たな納税義務者を「創造」することは問題である。

 

<次回予告>

 脱税の場合と過少申告加算税や重加算税が課される場合を比較して検討する。脱税の場合の制裁対象には代理人が含まれる両制度の違いから「問題の制度設計」のほころびを検証したい。

 

 

- | 08:30 | pookmark

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