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納税者の品格と税理士の立場・・・17

(問題の制度設計・・・10)

 

(二つの制裁 1.逋脱犯の刑事罰と2.仮装隠蔽の行政制裁:重加算税)

1は犯罪を構成する。偽りその他不正行為をした場合である。法人に対するこの罰則を定めた法人税法159条では法人の代表者だけでなく「代理人」も処罰の対象に加えている。

 

 刑罰であるから「故意」が要件である。具体的には以下の3つの認識があることが犯罪の要件である。

   ・その法人に納税義務があることの認識

   ・その法人の業務に関して脱税を行うとの認識

   ・不正行為の認識

 

 代理人の場合は、会社経営者と共謀した場合や教唆が該当するだろう。会社経営者と共に犯罪者になる。税理士法での処分もされる。

 審判所で争われた事例に当てはめれば税理士は共謀していないことは明らかであるから法人税法159条の処罰はない。

 

2、仮装隠蔽を行ったことで行政制裁を受け重加算税を課される事例では制裁の対象は納税者法人だけである。仮に税理士が積極的に仮装隠蔽に関与した場合は税理士法の制裁があるが重加算税を会社と共に税理士が負担する規定はない。

 

 現実にこの税理士は蚊帳の外であり損害賠償の対象にすらならない。

1,2に共通するのは、税理士が1や2に該当するか否かが「問題の制度設計」に比べて比較的分かりやすい点である。

 

(問題の制度設計)

 「十分な情報収集と申告内容の説明が不十分」である場合は加算税を税理士に課し、その代わりに納税主体である会社には加算税を免除するとの「問題の制度設計」では積極的に過少申告に関与したか、していないかが判然としない場合でも、関与実態ではなく「適正な申告書であったか」否かの結果だけで判定し、さらに「申告内容の説明やリスクの説明をしたか」どうか、という測定不可能な基準で納税者の加算税を免除し、税理士に加算税を課すと言っている。

 

 積極的な不正関与、共謀の有無などの要素を排し適正申告かという外形の結果と「(決算内容やリスクを)説明した、聞いていないとの水掛け論になる曖昧な基準しかないことは新たな争いの原因を作りかねない。

 

 残る問題は

1、何が適正申告なのか、

2、どこまで説明したら税理士が免責になるのか、

 税理士は説明したといっても聞く方の法人側では聞いていないと言うであろう。自社に掛かる重加算税負担がなくなるならば、渾身の智恵を巡らせて「聞いていない」と強弁すると考えられる。

 

 そもそも複雑な会計と税法をいくらワカリヤスク説明しても理解できない経営者が多い。聞くふりだけする経営者も多い。人間は理解できないことは「聞いていない」と思うのではないか。それも申告して数年(除斥期間5年までの)経過しての税務調査において明瞭な記憶が無いのは自然かもしれない。

 

<次回予告>

 税理士は自己を守るには説明を録音しておくことでデフェンスするなど、依頼者との信頼関係に水を差す不愉快で不要な負担が生じるだけでなく、悪質納税者は税理士の足もとをすくう方策を考えるかもしれない。「問題の制度設計」が申告納税制度において有効な制度なのか否かを検討する。

 

- | 08:39 | pookmark

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