数字が語る事業の潮時、変わり時 - AI・RPAの先にあるもの

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『会計力』が事業を育てる ─会計土木®の現場から─
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納税者の品格と税理士の立場・・・18

(問題の制度設計・・・11)

 

(行政制裁を納税者ではなく税理士に課すことの問題点)

 加算税は申告秩序維持のためである。対象は納税義務の違反者である。「これにより納税義務違反の発生を防止し、もって納税の実をあげようとする行政上の措置」(国税通則法精解669頁)と立法当事者が説くように納税義務者があくまでも対象である。

 

 仮に税理士が無知な納税者に過少申告を吹き込んでも重加算税の対象は納税者であり、納税者に隠して税理士が勝手に過少な申告書を作成しても加算税の対象は納税者である。

 税理士がこれらの行為をしたことは納税者と税理士間の争いを生じても納税者に替えて税理士に加算税を課すことは筋違いである。いうまでもなく税理士には税理士法上の処罰がなされる。

 

 

(逋脱犯の刑事罰と加算税の違い)

逋脱犯が成立するためには以下の4要件が必要である(経済刑法研究866頁)

ア:誰が主体か

イ:偽り不正の行為が実行されたか

ウ:税を免れたか

エ:行為(イ)と結果(ウ)の因果関係の認識があるか

 

 裁決例に当てはめてみればアは会社代表者であり、一切を任されていた工場長並びにその妻も該当すると考えられる。工場長やその妻は代表者が納税義務者であることの認識と机の引出しに売上を隠すことは脱税を行うとの認識があると考えられるから共犯になる。税理士にはァからエはあてはまらない。

 

 それと重加算税の場合は「計算の基礎となる全部または一部」について仮装隠蔽することが要件(国税通則法68条1項)であり「その客体は益金、損金または個々の会計事実である」(経済刑法研究863頁)が、逋脱犯の場合はその法人の事業年度の所得を一体不可分として逋脱罪が適用される。

 

 こうして全体を一体として見れば、代理人にも適用される逋脱犯が適用されるのは会社代表者、工場長並びにその妻であり税理士は射程外である。

 

 以上のように加算税・重加算税は納税義務者にのみ適用され、税理士に課税を付け替えることは趣旨から外れる。また代理人にも適用される逋脱犯の刑事罰は厳格な構成要件を当てはめれば、この税理士は代理人の立場にすらならない。

 

 裁決例から離れて一般的に見れば、税理士が積極的に脱税指導をした場合でも重加算税は課されないが、逋脱範に該当することは考えられる。要するに犯罪を構成するに至らない過少申告のばあいの加算税を税理士に課する理由は見当たらない。

 

 税理士に加算税を課す論理が通るならば、逆に税理士が説諭して偽りの申告を改めさせた場合に税理士に国が報償金を支払うことに「論理的」にはつながってくる。考えられない話である。

 

どの角度から検討しても税理士に加算税を付替えて課する道は見えない。

 

<次回予告>

 そろそろ、まとめに入ります。今月中旬にこのシリーズは完結し、少しお休みをいただいてから「数字が語る事業の潮時、変わり時」のタイトルで7月31日に再開します。コロナで変わってゆく先行きに焦点を当てます。 

 

- | 08:43 | pookmark

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