<28年以降の税制改正の方向>
重要な項目をご紹介し、プラスになるのかマイナスになるのか、勝手ながら添え書きしました。プラスは○、マイナスは×です。
1<相続・譲渡所得>・・・○
相続後に空家になった家屋を譲渡したら3000万円を特別控除できます。平成28年4月1日以降、平成31年末までの間です。
・譲渡額が1億円を超える豪邸は対象外です。
・マンションは対象外です。
空き家の増加による生活環境への悪影響を回避するためです。
2<減価償却費>・・・・・・×
平成28年4月1日以降取得の建物付属設備と構築物の減価償却は定額法しか使えなくなります。初めに多額の償却費を計上できる定率法は、これからは使えません。この結果、建物は既に定額法に統一されており、大きな投資の資金回収は遠くなります。
3<企業版ふるさと納税制度の創設>・・・・・・×
法人にも寄付額の損金算入30%、税額控除30%が認められます。 個人版ふるさと納税は、寄付した人に自治体が農産物などを寄付を増やすために返礼が過度になっているとして、総務省が注意を促したように問題視されています。
寄付してトクはしません。見返りに人参などを送られますが、寄付金額の何分の一です。トクしたと錯覚する人は多いです。ただ個人は寄付の意味を理解してそれぞれの考え方でその行為をされます。赤十字への寄付など典型です。
法人の場合、寄付分は60%は税負担が減少します。100万円寄付したら税金は60万円軽減されます。しかし40万円の支出は戻りません。企業は個人と違います。利益を上げるのが目的であるのに60万円のニンジンに引かれて100万円支出し、差引40万円を損することは?です。「こんなものいらない」の典型でしよう。
4、<消費税>・・・・・×
29年4月から、10%税率への移行とともに将来のインボイス方式の前段階として「区分記載請求書保存」方式が導入されます。帳簿や請求書に「軽減税率対象品目」について課税売上・課税仕入れにつき記入が必要になります。
そして平成33年4月1日から「インボイス」方式になります。税務署に「登録した課税事業者(適格登録課税事業者といいます)」は登録番号を付けられます。この番号を請求書・納品書に記載します。
問題は免税事業者は除かれている点です。免税事業者である限り「適格登録課税事業者」にはなれませんから、免税事業者が大手企業に商品を売ろうとしても大手企業は仕入税額控除ができませんからその免税事業者から購入しないでしょう。免税の家主の倉庫を借りないことは考えられます。免税事業者は商流から排除されかねません。
これを避けるには、免税事業者でも「消費税課税事業者選択届」を提出して、本来は払わなくても良い消費税を払って流れに加わるか、排除されても小さく固く商いを継続されるかの選択になるでしょう。
5、<マイナンバー>・・・・○
記載対象が少なくなりました。個人が出す申請書や届出書にはマイナンバーの記載が不要となりました。今後もユルくなる傾向です。